対象:住宅設計・構造
安井 正
建築家
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準耐火建築物の階段
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木造住宅は「3階建て」にすると、法規制がいろいろと厳しくなります。
木造3階建は建築基準法で定めるところの「準耐火建築物」として建てなければなりません。
準耐火建築物というのは、火災がおきたときに、45分間または60分間は建物が崩れ落ちないようにした建物のことをいいます。つまり「火事が起きたことに気づいてから、逃げ出すまでの時間を確保しなさいよ」という主旨です。
準耐火建築物にするために、階段も耐火性のあるものしなければなりません。
木でつくる場合、しかもストリップ階段のような段板だけでなく支える構造材(ささら桁、側桁といいます)も木でつくり、木をあらわしで見せるようなデザインにする場合は、60ミリ以上の厚みとする規定があります。
段板は木をみせるけれども、階段の裏面や側面を石膏ボードなどで囲えば、段板は35ミリ、桁は35ミリとすることができます。ただし、この場合はシースルーな感じの階段にはなりませんが。
写真上は構造材を囲ったタイプの階段。この写真の家は準耐火建築物ではないですが、イメージとして参考になると思います。
写真下は鉄骨を使ってシースルーにしたタイプの階段。
60ミリの木でつくるとこういう軽快な感じにはならないので、鉄でつくって踏み板の仕上げとして木を使うことが良いですね。
すでに工事中ですと、今からの変更は確認申請上、主要構造物の変更になるので、手続き上の手間も、それなりにかかると思います。変更届を出すか、軽微な変更で済むのか、設計者は確認検査機関と協議をする必要もでてくると思います。
補足
書き込みありがとうございます。
光の取り方には、いつもこだわっておりまして、
暮らしの中で、ときどきふっと「きれいな光だな」と気づく、
そんな家でありたいと思っています。
上の写真の壁仕上は桐板です。9ミリ厚の無垢の桐板を集成して、910*1820のサイズにした素材です。桐は湿度変化による伸縮が大きいので、貼り方によっては割れが発生します。自然素材は「生きている」のを実感できてよいのですが、その扱いにはやはり独自のノウハウが必要です。
評価・お礼
Lions&Ghosts さん
丁寧にご回答いただきありがとうございます。
ご指摘のとおり、建築申請は、3段廻り+鉄砲階段(オープン階段)にて承認されております。
ご提示いただいた上段の写真を参考とさせていただきます。
それにしても、光の取り方、床板の源平模様・・・とても
素敵ですね。壁の材は木でしょうか?天井の直線と一体化
していて、とてもすっきりと広く見えます。
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