対象:ペットの医療・健康
RE:フィラリア予防薬について
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フィラリアの感染と予防薬との関係についてお話します。フィラリアの感染は、幼虫を保有する蚊に吸血された際に、吸血孔より幼虫が侵入することにより成立します。感染した幼虫はすぐに心臓に到達するわけではなく、約60日間は皮下組織や筋肉内で成長を続けます。その後さらに成長を続けると血管内に侵入して心臓に到達し、生殖活動を行い、ミクロフィラリアという子虫を産むようになります。月々の予防薬で駆除できるのは幼虫が皮下組織や筋肉内に留まっている段階で、それより成長して心臓に到達してしまうと駆除することができません。ただし、ミルベマイシンは、血管内に侵入した後でも初期の段階であれば駆虫することができます。
今回、9月の末から12月20日の約80日間に予防薬の投与をされなかったということなので、もし10月の前半に幼虫が感染したとすれば、感染後60日以上経過しているので既に心臓に到達している可能性はあります。しかし、残念ながら現在感染しているかどうかを検査することはできません。なぜならその検査は、感染後6,7ヶ月の、十分成熟した雌虫の分泌物を血液より検出する方法により行われるからです。予防薬を投与していなかった間の感染の有無がはっきりするのは、来年の春以降になります。感染の可能性はその地域にどの程度フィラリアに感染している犬がいるかどうかにもよります。ご心配でしょうが、来年の春以降にかかりつけの先生の下で検査を受けられるようにしてください。
また、感染している犬に予防薬を飲ませるとショック状態になることがありますが、それはミクロフィラリアという子虫が体内に大量にいる場合で、現時点ではたとえ感染していてもまだ子虫を生むまで成熟してはいないので、たとえ予防薬を投与してもショック状態となる心配はありません。
評価・お礼
りんごりんご さん
すごくよく分かりました。
詳しい説明を、分かりやすく丁寧にしていただき、ありがとうございました。
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この回答の相談
毎月1回、フィラリアの予防薬(ミルベマイシンA)を飲ませいているのですが、飲ませ忘れてしまいました。
気をつけていたはずなのに、このようなことをしてしまい、飼い主として失格です。
9月末までは… [続きを読む]
りんごりんごさん (千葉県/33歳/女性)
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