対象:住宅設計・構造
野平 史彦
建築家
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ある程度、許容しながら換気を、
交通量の多い幹線道路から50m以内の場所では排気ガスの人体に対する影響が大いにある、とされている様ですが、それなら都内中心部にお住まいの方の殆どが影響を受けていると言えるのでしょう。少なくとも小さなお子さんやお年寄りなど抵抗力の弱い方には、喘息などを誘引するという懸念がありそうです。
鉄筋コンクリート造のマンションは、木造に比べて遥かに気密性が高いと言えますが、最低限の換気に必要な外気(通常は、新鮮空気)を取り入れなければなりませんから、幹線道路から10mでは、当然、排気ガスも室内の侵入することになります。
しかし、生命維持に必要な換気量は法的に求められる換気量からすればごく僅かですから、その中に含まれるNOxやSOxなどもさらにごく僅かということになりますから、締め切っていて侵入する排ガス量くらいは許容しなければならないでしょう。
これは実際にあった話しですが、同様に、田舎から東京の交通量の多い幹線道路際のマンションに引っ越してきたある御夫人が、窓を開けていられないので、家の中に観葉植物を置いていたのですが、いつからか咳がでるようになり、田舎に帰るとそれが直るので、やっぱり排気ガスのせいかと思い、家の中の観葉植物を増やして緑で一杯にしたところ、ある晩、寝ていて激しい喘息の発作に襲われ救急車で病院に運ばれたのです。
原因を調べてみると、換気の悪い密閉した室内で観葉植物の土にカビが繁殖し、その胞子が大量に室内の空気に放出され、それを吸っていたために死ぬ思いをしたということです。
このように、密閉して排気ガスの侵入を阻止しようとすると、今度は動かない室内の空気の中に室内で発生した水蒸気が滞留し、カビやダニの繁殖器のような状態になってしまいます。
補足
ですから、本来、外から新鮮な空気を取り入れる事ができない所というのは、人が生活する環境とは言えないのですが、そんなことを言っても現実はそうではないのですから、現実的な対処法としては、排気ガスが侵入しない風向きの時に、時々窓を開けて空気の入れ替えをするようになさったらいいのではないでしょうか?
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この回答の相談
今、住んでいるマンション(2Fフロアー)が幹線道路から約10mぐらいの場所でかなりの交通量があります。
排気ガスの心配があるので、窓は閉め切っています。窓を閉め切っていても排気ガスが家の中に入ってきたりするものでしょうか。
教えていただけますでしょうか。
よこすかさん (東京都/35歳/男性)
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