対象:お金と資産の運用
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杉浦 恵祐
ファイナンシャルプランナー
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「平均何%の収益」という考え方には注意が必要です
kanachaさんへ。FPの杉浦恵祐です。
複利利回りや72の法則の考え方は収益にブレが無い預貯金のような商品には当てはまりますが、
毎年の収益が大きくブレるような商品の場合にはその考え方は危険です。
また、幸いにも200万円を400万円にできたとしても、そこには通常税金がかかります。
200万円を税引き後手取りで400万円にするというのが実務的には重要です。
まず税金の考え方ですが、想定されているファンドは、期中収益分配金の出し方が様々です。
これにより課税方法が異なりますが、ここでは次の2パターンで試算します。
なお、現在の公募株式投資信託の収益分配金の源泉徴収税率は10%、換金時の譲渡益の税率は10%ですが、18年間の試算ですので、固めに税率を20%とて試算します。
A 18年の間、期中収益分配金が全く支払われず(途中に税金が引かれることはない)に1
8年後に初めて売却時に18年分の利益にまとめて課税(満期時一括課税)の場合
18年後の税前金額をYとすると、
Y-(Y-200)×0.2=400
Y=450
もし、求めるリターンが幾何平均で表されるとすると(=72の法則の考え方)
200×(1+X)の18乗=450
2.25の18乗根=1.046
X=4.6%
B 18年の間、年間収益分(個別元本超過額)が全額期中収益分配金と支払われ、課税された後に同じ個別元本で再投資する場合
もし、求めるリターンが幾何平均で表されるとすると(=72の法則の考え方)
200×(1+0.8X)の18乗=400
2の18乗根=1.039
X=3.9÷0.8=4.875%
つまり、もし求めるリターンが幾何平均で表されるとしても、年5%近くのリターンは必要になります。
補足
次に、平均5%近くのリターンがあれば18年で200万が400万になるかですが、投資対象の分散投資をすることにより、もし18年の間の各年の実際の収益と幾何平均の5%の収益にブレがほとんど生じないならば、この幾何平均のリターンで考えて良いでしょうが、今年のように全く分散投資の効果がない=大きな損失が1度でも発生すると、この平均の数字には全く意味はなくなります。
1年目に△10%の場合、Bのケースで残る17年で平均6%必要
1年目から5年目は当初目標平均だったが、6年目に△10%の場合、Bのケースで残る12年で平均6.5%必要
1年目から10年目は当初目標平均だったが、11年目に△10%の場合、Bのケースで残る7年で平均7.6%必要
1回の10%の損でもそれを挽回するのに相当のリターンが必要になるのですから、損が18年のうちに何度かあったり、今年のように世界の9資産に分散しても50%超の損が発生するような時に遭遇したりしたら、同様の分散投資のやり方では目標時期までの挽回はまず不可能です。
理論と現実は異なりますので、あまり理論に振り回されない方が私は良いと思います。
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200万円を18年で400万円にできないかと、最近運用の勉強を始めました。今年産まれた子供の教育資金です。自分で資産配分を作ってみたのですが、これでいいのかどうか自信がありません。ご意見をお聞かせいた… [続きを読む]
kanachaさん (神奈川県/38歳/女性)
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