覚悟を伝える

研修屋様

「会社に言われたからとりあえず来た」という人から、
「学びたい何かがあって自発的に来た」という人まで
参加の動機は様々でしょうから、研修に来た全ての人を
やる気にさせることは本当に難しいことですよね。

研修の内容はもちろんですが、私は始まって数分の『ツカミ』が
大事だと感じています。

ある研修のツカミの段階で、
''「会社に言われたから仕方なく来た人は?」''
って最初に聞いた講師がいました。最初は挙手する人はいません。
でも「必ずいるはずですよー。上司の言うこと、逆らえませんものねー。
この場では正直でいて欲しいので遠慮せずに、手を挙げて〜!」と。
すると数人の手が挙がったんです。

その人たちに対して、何か特別なことをするでもなく、その講師は
その日の研修の目的、内容、時間割などを、とてもわかりやすい言葉で
語り出しました。この研修に取り組むことが、あなた方にとって
必ず有意義な時間になる、ということも。そして

「会社から言われたから仕方なく来た人は、ここまでで帰っていいですよ、
ちゃんと出席扱いにしておきますから。でもあとできっと、残ればよかった、
って後悔しますよ。さてどうします?」と聞いたのです。

講師は、この研修が有意義なものになる、今帰ったら後悔するよ、と受講生に
対してコミットしてるわけですから、ハンパなものにはできません。
その覚悟をスタート時点で受講生に伝えているわけです。

そういう覚悟を伝えられた受講生の方は、まだ「やる気」までには至らなくても、

''「一応話しを聞いてみようか」''

という気にはなるんです。あとは自然に身を乗り出すようになりますよ。

そして、研修内容にもよるでしょうが、座学タイプよりも、受講者参加型の
方が「やる気」を引き出しやすいようです。受講生に簡単な、それでいて
盛上がるワークをさせてみるとか。

「自分が受けたいと思える研修」を念頭に置いて、研修作りに取り組んで
みてください。