歯茎の痩せ、歯肉の退縮

　はじめまして、歯科医師の山内と申します。

　歯茎が痩せていくということは、歯茎(歯肉)の下にある歯槽骨という顎の骨が減退していく現象と連動してます。歯茎を歯槽骨が下から支えているのですが、その支えが歯根側に下がるので歯茎も痩せてきてしまうのです。

　元々遺伝的に歯槽骨が薄く退縮しやすい方もいらっしゃるかとは存じますが、歯並びや噛み合わせなどの影響で歯槽骨が薄いところや、負荷がかかりやすい理由から部分的に歯槽骨が破壊され退縮してしまう事もあります。八重歯の歯肉が退縮しやすいのはこの理由からです。この場合には、就寝時にマウスピースをお使いいただく予防法などがあります。
　
　また、歯周病の原因細菌によって歯槽骨が侵されてしまうこともあります。歯肉溝(歯周ポケット)から感染し歯茎が痩せてくるのです。この細菌に対して最近は抗菌剤を使って口腔環境を改善する試みも実際の臨床に応用されてきています。位相差顕微鏡などで口腔内の唾液やプラークなどを見て、スピロヘータが検出される場合は“ジスロマック”という抗生剤が大変劇的に口腔環境を良い方向に変化させてくれる事も経験させていただいております。
　基本は正しいブラッシング(歯ブラシ)を実践していただき、歯石やバイオフィルムを定期的に歯医者さんでクリーンナップしていただく事が重要ですが、上記の抗菌剤治療は難治性の方に朗報であるといえるでしょう。

　miotyさまにとって歯茎が痩せない方法がみつかるとよろしいですね、どうぞお大事になさってくださいませ。