対象:ペットの医療・健康
猫肝リピドーシス(脂肪肝)
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脂肪肝を血液や、腹部エコーから確定診断するのは難しいのですが、太っているネコちゃんが、4,5日何も食べずにいて、肝酵素値、総ビリルビン値、非抱合型ビリルビン値が異常に高値を示し黄疸状態であった場合、私達獣医師は、これは脂肪肝になっているであろうと判断します。絶食状態が続くと、動物(人間も含めて)は体に蓄えた脂肪を遊離脂肪酸(FFA)という形に変えて、肝臓に運びます。肝はこれを原料として糖新生という作業をして、生体全てのエネルギー源であるグルコースを作ります。しかしながら洪水のように、体のあちらこちらからFFAが押し寄せてくると、肝細胞の糖新生能力を超えてしまい、糖新生の原料として、細胞質内に中性脂肪の形に変えて蓄えるようになってしまいます。これがどんどん進行してしまいますと、肝細胞の中に大きな脂肪滴として貯蔵されて、本来真ん中に丸くあるべき核が、脂肪的に押されて端っこに、へしゃげたた状態になり、また正常細胞質もなくなってしまいます。このメカニズムは人のアルコール性脂肪肝とは違いますが、結果は同じ状態です。幸い猫や犬は脂肪肝から急速に肝硬変に移行しませんので、入院して十分な栄養を補給してあげれば、肝細胞中の脂肪滴は、再びFFAの形になって体の各所の脂肪組織に戻っていきます。つまり食欲が無いネコちゃんには強制給餌をしたり(頚部に穴を開けて、チューブを食道に入れたり、鼻から食道に向けてチューブを入れたりします)、静脈内点滴してエネルギーを補給します。1週間以上の時間がかかります。
肝臓は再生機能の強い臓器ですが、重度の脂肪肝で、肝細胞が広範囲にダメージを受けますと死亡率は高くなります。頻繁に血中のアンモニア値やを測定して、肝性脳症にならないように気をつけることが大事です。
評価・お礼
ブイのママ さん
回答有難うございます!
希望を持って、猫ちゃんの回復を待ちたいと思います。
後、先生がおっしゃられたように肝性脳症にならないように、かかりつけの獣医さんと相談しながら回復まで待ちたいと思います。
本当にありがとうございました。
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