対象:経営コンサルティング
銭湯の背景にあるニーズそのものは底堅いと思われます
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「銭湯」の推移について統計を見てみました。
ご指摘通り、銭湯は減少の一途にあり、なかなか経営環境も厳しいことが伺えます。
全国の時系列推移(「衛生行政報告例」)
ここで、統計を良く見てみると、「公衆浴場」の「普通浴場」が減少しているだけで、「公衆浴場」の「その他※1」は増加していることがわかります。
※1:サウナ、健康ランド、スーパー銭湯など
すなわち、入浴を通した安らぎやコミュニケーションのようなニーズそのものは決して廃れておらず、底堅いのではないかと考えられます。
さて、ご質問ですが、以下のような2つの方向性があるのかなと思います。
''1.既存の(現状の)銭湯施設・業態からの発想''
(1)客数を増加させる:地域で入浴ニーズを持つヒト/層を考える
ヒトからの発想:例;単身高齢者、主婦(冷え・肩凝り)・・・
場面からの発想:例;スポーツ後、祭事、祝日・・・
(2)客単価を増加させる※2
例;飲食料品、部屋/場所レンタル、マッサージサービス・・・
※銭湯は価格が決められているため、入浴料ではなく付帯サービスでの客単価上昇をねらう
以上、売上維持・拡大の方策に絞ってみてみましたが、経費削減の方向性もあるかもしれません。
''2.既存の(現状の)銭湯施設・業態にとらわれない発想''
スーパー銭湯や健康ランドという選択肢も、設備投資の余裕があればありえます。また、より大胆に、「安らぎ・癒し・コミュニケーション」のようなニーズに焦点を絞って、新しい市場や業態を開発するようなことも考えられるのではと思います。
例えば、地域に高齢者が多い場合、高齢者向けのサービスと「安らぎやコミュニケーション」ニーズを、入浴施設を介して結びつけるような方向性での発想です。
いずれも難易度は高いかと思いますが、機会はあると思います。
まずは、廃業という選択の前に検討されてみてはいかがでしょうか。
補足
''2.既存の(現状の)銭湯施設・業態にとらわれない発想''ですが、具体的には以下のようなアイデアです。
●安らぎニーズ:健康相談、食事サービス、フィットネス器具設置・・・
●コミュニケーションニーズ:スポーツイベント、託児サービス(子供、孫世代との接点)、高齢者向け行政申請代行・・・
''1.既存の(現状の)銭湯施設・業態からの発想''で参考となる事例として、茨城のスーパーキダストアーをご紹介します。
同社は「日本一お年寄りに優しいスーパー」を標榜しており、地域の特性に合わせた顧客獲得に成功しています。
また、''2.既存の(現状の)銭湯施設・業態にとらわれない発想''の事例としては、「ドラリオン」「アレグリア」などのショーで知られるシルク・ドゥ・ソレイユがあります。同社はサーカス集団が前身ですが、「子供相手の見世物」という認識の中衰退産業であったサーカスの分野から、「大人相手の芸術性の高いショー」という新市場を開発し成功しました。
評価・お礼
風呂屋 さん
様々な観点からのアドバイスを有難うございます。
ご意見を参考に今後じっくりと家族で話し合い、
よりよい結論を出していきたいと思います。
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