対象:ペットの医療・健康
RE:血小板
血小板減少症の原因としては血小板産生の低下あるいは血小板の破壊・隔離・消費の亢進があり、今回のように血小板数0.0/μlを示すのであれば自己免疫性血小板減少症(IMT)が疑われます。IMTは免疫機能が異常に働いてしまい自分で自分の血小板を破壊してしまう病態で、治療の目的としては破壊を抑制(免疫抑制)して血小板が増加するのを待ちます。IMTの治療の第一選択薬としては効果の発現が早いコルチコステロイド(商品名プレドニンなど)を使用します。臨床症状、他の検査で異常が見つかったものに対して点滴、輸血など支持療法を行います。血小板は骨髄にある巨核球から産生されますが、この巨核球が成熟するまでに数日を要するので薬が効果を示してもすぐに血小板が増えるのではなく、数日かかります。そのため第一選択薬の効果をみるには2〜3日必要です。血小板数が増加しない(プレドニンへの反応が悪い)と判断が着いた時点で次の免疫抑制剤の併用あるいは切り替えを検討します。血小板減少の原因を調べるには血液検査、骨髄検査を行いますが骨髄検査には全身麻酔が必要で、ある程度麻酔に耐えられることが前提になります。今回のように治療を急いで開始しなければならない時には鑑別診断を後にすることもあります。体が異物と認識しうるもの(薬、食物、毒物など)は免疫が異常に働いてしまう引き金になることが知られていて、このような自己免疫性疾患の時には極力薬物投与は控えます。
今回の件について、治療などに疑問が残るようであればもう一度かかりつけの動物病院で説明を受けられることをお勧めします。ご愛犬のご冥福を心よりお祈りいたします。
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