対象:住宅設計・構造
森岡 篤
建築家
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一般コンクリートブロックでは厳しい高さ
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s255さんこんにちは
パルティータ建築工房の森岡と申します。
敷地を60〜80cm盛り土して、このレベル差の擁壁を作る、と考えてよろしいでしょうか。
その前提で回答させていただきます。
60〜80cmというのは、悩ましい高さです。
コンクリートブロック(以下CB)は、面に垂直に作用する力(風、地震、土圧)に余り強くありません。
建築学会の規準では、CBは原則として土に接して設けてはならない(つまり擁壁として使ってはいけない)が、高さ40cmまでなら良い、ということになっています。
しかし、実際にはCBを1m位の擁壁として使っている例はたくさんありますね。
これらの多くは、構造計算をすれば、もたないと思われます。
どういうことかと言うと、
土は、地質によりますが、粘着力があるため、ある程度の高さは垂直に切っても、自立します。
条件の良い時、地盤が自立するのであれば、CB擁壁で問題ありません。
ところが、大雨が降ったり、大きな地震があったりすると、土は不安定になり、崩壊します。
この時、構造計算に近い状態になり、擁壁の強さが性能を発揮します。
一般のコンクリートブロックは、目地1cmがあるため、空洞内にモルタルが充填できず、構造計算の性能も出ないことが多く、避けた方が良いと思います。(少なくともA種、B種は不可)
鉄筋コンクリートの擁壁が構造的には良いですが、50mの長さとなると、コストが問題ですね。
型枠コンクリートブロックを使われたらいかがでしょうか。
一般CBより、材料強度が高く、空洞が大きくコンクリートが充填しやすいので、強度も信頼性も高いです。
一般の塀の基礎はI型を使うことが多いですが、擁壁ではL型基礎として下さい。
この高さの擁壁は確認申請は必要ありませんが、構造の専門家に、構造計算をしてもらって下さい。
参考にしていただけたら幸です。
評価・お礼
s255 さん
ありがとうございます
型枠コンクリートブロックを考えてみます
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