ローンが組めない理由は一つではありません。

2008/08/18 10:30

: (; 4.0; )

zwaikaniさん、はじめまして。
借金問題専門の司法書士法人リーガルハンズの樋口です。

債務整理や自己破産などの法的手続きをされた後、何年後なら
再度ローンなどが組めるようになるのかということですが、
年数を考える前に、根本的な問題としてどうしてローンが
組めないのかを考えてみましょう。

ローンを組みたいと思って申し込みをしても、ローン会社の
審査が通らなければローンは組めません。

では、なぜ審査が通らないのでしょうか。
その理由には大きく分けて3つが考えられます。

1、信用情報がブラックになっているから。
2、ローン会社内の審査基準に適合しないから。
3、通常の審査基準で審査して落とされたから。

1については分かりやすいと思います。
ちなみに自己破産、個人再生は7年、債務整理の場合は完済後から
3年から5年というのが一般的だと思います。

2については、ローン会社だけでなく、一般の消費者金融や銀行等
各会社ごとに独自の審査基準があるはずです。

よくある話が、A社に申し込んだら融資可能だったのに、B社では
断られたというようなことですが、それぞれの会社ごとに同じ条件
でも融資出来るかどうかが変わってくることが分かるいい例です。

そのため、単に債務整理から何年という考え方はブラックリストの
年数を考える意味では一つの目安になるかもしれませんが、実際に
ローンが組めるようになる年数とは必ずしも一致しないのです。

例えば、以前ブラックになっていた人とは少なくとも5年は取引を
避けるという会社があれば、信用情報のほうがブラックの期間を
過ぎたからといって申し込んでも審査は通らないでしょう。

このようなことをお話しすると、ブラックリストの期間を過ぎれば
ブラックだったことは分からないじゃないかと仰られる方がいるの
ですが、それは現実とは異なります。

(続きは追記します)

補足

例えば、A社から借りていた方が自己破産したとします。
自己破産の場合のブラックリストの期間は7年とされていますので、
7年経過後は信用情報を照会しても事故扱い(ブラック)の記録は
ないはずです。

しかし、記録は信用情報だけではないのです。
当たり前のことですが、各金融会社には自社と取引のある、あった
顧客の情報を保存しています。
だからこそ、過払い請求などの時にその情報の中の取引履歴の開示
を求めることが出来るのです。

これを逆に考えれば、A社には借りたまま破産したことが分かるはず
ですから、7年経過していれば分からないということではないのです。

しかも、最近は金融会社間の合併や統合などが多いですから、破産や
債務整理をしたときにはB社から借りていなくても、B社がA社を
吸収しているような場合もありますから、審査の内情は分かりません
ので推測の部分もありますが、B社の審査が通らないという可能性も
考えられるのです。

3については、ごく当たり前のことなのですが、通常の審査で審査が
通らないこともあります。

収入が少ない、勤続年数が短いなどが代表的な理由だと思います。
以前、借りていた時はこの位の収入でも借りられたのにというケース
もあるかもしれませんが、ここ数年金融会社の経営状況は悪化して
いますから、以前と比べると融資の金額も小さかったり、審査が
通りにくくなっていることもあります。

以上のように、ローンが組めるかどうかはそんなに単純なことでは
ありませんし、収入などで審査が通らないほかは努力して変えること
が出来るものでもありません。

ですから、これはローンを組むためではないですが、日頃から収入を
安定させるように努力し、ブラックの期間を過ぎたかなと思ったら、
信用情報機関に個人情報の照会をしてみてもいいと思います。

ただ、最終的に審査が通るかどうかは各社ごとの判断ですから、通るか
通らないかはやってみなければ分からないでしょう。