一度根の治療をした歯は・・・

違和感があるとのことで困っていらっしゃいますね。
情報がもっと欲しいところではありますが、分かる範囲でお答えします。

まず違和感の原因について可能性をお話しします。

一つ目に歯周病の場合です。
そこだけ歯周病がひどく進行していて、炎症がまだ残っていると考えることができます。

二つ目に、歯が中で割れたり、穴が開いてしまっているということも考えられます。
これは残念ながら割れ方によっては復元、効果的な清掃が不可能なので、
抜歯の対象となります。

三つ目に、これが一番可能性が高いと思うのですが、
二回目以降の根の治療というのは成功率が60%といわれており、
きちんとやっても、菌が取り除ききれない場合も多いのです。
根の先に菌が残っているせいで違和感が残っている、ということが考えられます。

また、副鼻腔炎ではないとのことでしたが、万が一副鼻腔の方に菌がいってしまうと、
教科書的には根の治療で治る可能性もあることになっていますが、
実際はほとんどが抜歯に至ります。これは、その歯については失うことは残念ですが、
菌を骨や周りの歯に散らさないように、感染原を根本から絶つようにとの配慮からです。

以上のように、細菌が残っている可能性は高く、細菌が残っている限り、
違和感は取れないかも知れません。
こうした場合では、なかなか抜歯に踏み切るのは患者さんも歯科医も躊躇することが多く、
特別に症状が強くなったり、膿んだり腫れたりしない限り、
その歯を使い切るという方が多いようです。
検診に時々行って、レントゲンを取るようにしてください。

当院では、CT装置があるので、
こうした場合患者さんの同意が得られれば撮影しています。
そして保険の範囲のX線では分からなかったような三次元的な位置関係を
把握することができるのです。

たとえ抜歯になるとしても、次の一手を骨などがやられる前に、
早く打てるという良い点があります。

お大事にどうぞ。