噛む犬

甘噛みがひどくなってくる原因の一つは、噛まれたときに手を引っ込めることです。
初めは噛まれてもそれ程痛くない「甘噛み」程度なのですが、乳歯は尖っているので、軽く
噛まれても痛いときがあります。
その時に思わず手を引っ込める方が多くいらっしゃいます。すると、ワンちゃんの狩猟本能に
火がつくのでしょうか、だんだんと噛む回数も多くなり、加減も強くなってきます。

噛む力加減を学習するのは仔犬の時期、まさに今です。兄弟犬と遊びながら噛むことがあります。
他の兄弟犬を噛んだ時に、噛まれた子犬は「キャン!」と鳴いて「イタイ!」とアピールします。
すると、噛んだ犬は口を離します。逆もまたしかりです。そうして噛む力加減を学習し、
噛まれたら痛いんだ、と知る訳です。
ですから、噛み癖を直すコツは、噛まれた時に「嫌だ!」としっかり伝えることです。
叱っているのに逆に興奮して、もっと噛み付いてくるのは、嫌がっていると言うよりも
むしろ喜んでいると思っているのかもしれませんね。
おもちゃで遊んでいても、次第に手や足に噛み付いてくるのであれば、おもちゃよりも手や足
の方が面白いと思い始めている可能性が高いと思います。

どうしても声で叱る事が難しい場合は、ワンちゃんが噛んで来た時に、例えばスリッパで
床や机を叩いて大きな音を出してビックリさせる、もしくは、噛んで来た鼻先にスプレーで
水などを吹きかけてビックリさせて、手や足に噛み付くことに嫌なイメージを与えましょう。
ここで重要なのは、噛まれた手を動かさないことです。そして、噛んだ口を離したら
あえてまたワンちゃんの口先に手を近づけて、噛まなかったら褒めてあげましょう。

手などを噛んだ時には嫌なイメージを与えて、噛まなかった時は良いイメージを与えるように
してください。
その差を大きくすればする程、ワンちゃんにとっては分かりやすくなります。