対象:住宅設計・構造
森岡 篤
建築家
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納まりが重要
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パルティータ建築工房の森岡です。
根太レス工法(≒900ピッチの梁に24mm以上の厚ベニヤを直接貼る)では、根太をやめ、建方時に厚ベニヤを同時に貼るため、従来の≒300ピッチ根太に12mm構造用合板の「根太あり工法」に比べ、工期が短縮され、コストも安くなる可能性があります。
梁の上に根太が乗る工法と比べると、同じ階高で天井高を多く取れる、シンプルな納まりとなります。
根太あり工法と根太レス工法は、根太サイズ、厚ベニヤ厚によりますが、「重量を支える」という構造機能上は、大差ないと考えられます。
床には、重さを支える他、地震時に、床に乗る荷重を耐力壁に伝えたり、床全体の形を保つ(床平面が平行四辺形になったり、弓なりにならないよう)機能があり、これを「床剛性」といいます。
根太レス工法では厚いベニヤを使うため、床剛性が根太ありより高い、と考えられがちですが、通常の根太レスでは梁に乗らない方向のベニヤ端部を留めないため、床剛性はほとんど高くなりません(目違いを防ぐため、「サネ」がついている)。
厚ベニヤを使用して、四周をビス留めする工法は、床剛性が上がり構造的にとても良いのですが、根太に替わる受け材(梁と同じ高さで)が必要となるので、コスト的メリットは減るでしょう。
根太ありの12mmベニヤでも、四周をビス留めする工法は床剛性が上がり、厚ベニヤの根太レスで四周ビス留めしない場合より高くなります。
このように、ベニヤ厚だけでなく、ベニヤをどのように納めるかが、耐震性に大きく影響します。
根太レス工法は、同じ階で床仕上(厚)が全て同じようなシンプルな家に向きますが、フローリングと仕上厚の異なる畳をフラットに仕上げるには、複雑となります。
評価・お礼
なみへい さん
回答ありがとうございました。
詳細打ち合わせ時の参考にさせていただきます。
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