寛容の心で

ここに小さな男の子がいるとします。彼は今、お母さんに抱っこして欲しいと感じていますが、お母さんは忙しくて構ってくれません。次第に男の子は腹が立ってきます。「僕は今すぐお母さんに構って欲しいのに、お母さんはそうしてくれない。僕のことなんかどうだって良いのかしら？僕のことが邪魔なのかな。まるで見捨てられた様な気分だ。僕は傷ついてしまった。」やがて彼は自分の欲求不満に耐えられず、暴れて大声を出し、お母さんの注意をひこうとするかも知れません。

このような小さな男の子は、見捨てられるのではないかという不安を怒りで表現しているので、怒るのは当然だ、分かってくれない相手が悪い、と感じているのです。ですから自分の攻撃的な態度が、相手をいかに傷つけ、不愉快にさせているかには、気がついていない場合も多いのです。

ご主人が怒りを爆発させ威嚇している時、もしかしたら、ご主人の中には、このような小さな男の子がいるのかも知れません。
まずはご主人に、怒りの表現の仕方が、大人の男性としては相応しくないものであることに気付いてもらうことが必要でしょう。

ご主人が怒りから回復して、穏やかになっている時に、「昨日あなたは私にこういうことを言ったけど、酷く傷ついて疲れてしまった。ああいう態度を取られると、とても辛い」と、穏やかに話してみては如何でしょう。そしてそれを根気よく、何度も繰り返すのです。それは本当に根気のいる仕事ですが・・・。

ご主人が怒りを爆発させている時、多少怒らせる原因がおらんさんにあったとしても、理不尽に怒っているのは決しておらんさんのせいではないのですから、ご自分を責めないようにして下さい。
また決しておらんさんご自身が我慢しすぎて、ご自分の中に怒りをため過ぎないようにしてください。無理だと思ったら、周囲の人にＳＯＳを出してください。