対象:住宅設計・構造
森岡 篤
建築家
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コンクリートの水分+地下防水
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donnaさんこんにちは
パルティータ建築工房の森岡と申します。
***コンクリート中の水分
コンクリートは、セメントと水が化学反応して固まり、固まるまで(1ヶ月程度)水が必要のため、完成時、多く水を含んでいます。
コンクリートが打ち上がった時点で放置すれば早く乾くでしょうが、通常の工程ではサッシや仕上材ですぐふさぐため、建物竣工時にもコンクリート躯体には水分が残っています。
使用状況により変わりますが、コンクリートの水分が乾く(と感じる)までに、年単位の時間がかかります。
このため、地上部でも物入等風通しの悪い所で湿度が上がり、カビが生えることが少なくありません。
***地下外周の防水
鉄筋コンクリートの地下部分は、構造体の外側をすっぽり防水すれば完全な防水ができますが、通常敷地条件から防水スペースが取れず、外防水ができません。
そのため、色々工夫するのですが、雨で地盤の水位が上がると、じわじわと水が染みやすいものです。
以上の理由から、RC住宅は、特に竣工初年度、とても湿度が高くなります。
地下ではより顕著で、コンクリートの水分なのか、外の地盤から染みこんでいるかの判断が、とても難しいです。
初年度の梅雨から夏にかけて(つまり今頃)が、一番湿度が高くなると思います。
***対策
コンクリート中の余剰水を乾かすことで、天気の良い日はできるだけ窓を開け(2方以上)風を通すのが第一です。
地下の和室ということですが、同様に、天気良い日は窓を開けて下さい。(ドライエリア側全開、反対側にも窓があれば開)
天気悪い日はドライ、というのが効率が良いと思います。
扇風機で室内空気を回すのも効果があります。
スタイロ+畳の納まりは、最適かどうかはともかく、事例は少なくありません。
仮に畳下地を木(根太)にしたとしても、空気層が通気できないと湿気対策にならないので、なかなか難しいですね。
参考にしていただけたら幸です。
評価・お礼
donna さん
パルティータ建築工房 森岡 様
ご丁寧な回答ありがとうございます!
大変参考になりました。
多少の湿気は致し方ないのかなと思ってはいましたが、設計士さんや工務店の方に質問しても残念ながら納得のいく回答が得られませんでした。
そのため不安が払拭できず、こちらに質問させていただいた次第です。
このように丁寧な説明をしてただけていたら不安にならず済んだのかもしれませんが。。
現在終日ドライ運転をしていたのですが、お天気の良い日は窓は開け(ドライエリア側に一つしかないのですが)できるだけ換気に努ようと思います。
扇風機もすばらしいご提案ですね。試してみます。
この度はお忙しい中、本当にどうもありがとうございました。
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この回答の相談
2ヶ月前にRC造の新築戸建が完成いたしました。
和室を1室作りましたが、地下のせいだとは思いますがどうもジメジメします。
(そのためエアコンのドライを常時付けております。)
通常木… [続きを読む]
donnaさん (京都府/42歳/女性)
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