木造３階建ての揺れについて

揺れの原因は二つあります。原因の一つ目は建物本体が、建築確認申請が通る建築基準法の最低ラインにて設計されている事です。建築基準法には各階の耐力壁の総量を規定しているだけです。本格的な構造計画から構造設計の手順を踏まずに、検査機関が通ればＯＫの構造計算にて済ませているからです。いまはパソコンの普及で構造計画・構造設計が出来る建築士でなくても、審査機関を通る構造計算書は作製できます。建築基準法には「揺れ」の規定はありません。ですから揺れても設計上でＯＫなら賠償の対象にはなりません。さらに言えば設計・施工・販売も「揺れ」については考慮していないので説明責任は無いでしょう。
原因の二つ目は、２０ｍ先の道路からの交通振動によると思われます。要は道路も本件の敷地も軟弱地盤の上にあると考えて下さい。当方は７０ｍ先の道路からの交通振動に対処した経験があります。　対応について記します。　対応の費用は全額お客様の負担となります。
建物の上部（木造３階部分）では耐力壁の位置を厳密に３階→２階→１階と縦方向に揃えます。簡単に言えば３階の横に働く力をストレートに１階に伝える事です。次に建物の下部（基礎）を交通振動に抵抗できる「重さ」を付加させます。要するに地盤と基礎が一体に成るようにします。参考に当方のホームページを見て下さい。スーパーフレーム「やすらぎ」にて検索できます。
以上です。　　２０１４．５．６　　中舎重之