対象:心の病気・カウンセリング
統合失調症とは
''幻覚・妄想''を中心とした''陽性症状''と''無為・自閉''を中心とした''陰性症状''とが混在する''感覚・認知・行動の障害''です。幻覚・妄想は''被害的な内容''になることが多いです。''「ムンクの叫び」''は被害的な幻聴に悩む姿を表しているそうです。
病気の原因は不明ですが、脳内の''ドーパミン''と言われる神経伝達物質の''過剰な放出''が示唆されていますので、''ドーパミンを阻害する薬''を内服していただきます。
またご本人は''現実検討能力を欠如''している場合が少なくありませんので、現在、感知されている内容が病気によるものだということを、''繰り返し穏やかに説明していく''必要があります。ご家族の方々も同様の理解を得て、''ご援助・ご協力''いただきたいと思います。
一方で慢性期になると陽性症状は治まり、無為・自閉といった陰性症状や更に''注意・記憶・流暢性''といった''認知機能障害''が主になりますので、継続した''リハビリテーション''が必要になります。具体的には''生活療法・作業療法・職業訓練''や''社会技術訓練(SST, Social Skills Training)''が有用です。ご家族はもとより、地域の''保健師・精神保健福祉士・作業療法士''の方々と連携をとりながら、治療継続されることをお勧め致します。
なお統合失調症の好発年齢は、''男性''は''思春期・青年期''の''10代後半〜20代''、''女性''はそれに加えて、''更年期''の''40代後半〜50代''が相当します。従って、ご主人の場合は統合失調症が発症した年齢からは大分ずれており、いわゆる統合失調症の典型とは異なると思います。強いて考えると、''精神病症状が伴う重症うつ病''が考えられ、この場合は抗精神病薬を用いながらも''抗うつ薬''を中心としたうつ病の治療を行うことになりますのでご了承下さいませ。
茅野 分 (銀座泰明クリニック)
補足
銀座泰明クリニックへのリンクは以下へ移転しました。
http://ginzataimei.com
回答専門家
- 茅野 分
- ( 東京都 / 医師(精神科) )
- 銀座泰明クリニック 院長
東京・銀座の心療内科・精神科、夜間・土曜も診療しております。
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この回答の相談
42歳主婦です。明るかった主人が、半年前ごろから急に元気がなくなりました。会話も少なく部屋に引きこもり、幻聴も聞こえるといっています。調べてみると「統合失調症」に近い症状かと思うのですが、どうし… [続きを読む]
All About ProFileさん
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