対象:経営コンサルティング
田邉 康雄
経営コンサルタント
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製造ではISO対応が困難ですが、経営者が育ちます。
有限会社田辺コンサルタント・グループが、''ISOコンサルタント''とし多くの企業を見てきた経験を踏まえて意見を申し上げます。
御質問の内、製造部門を母体から切り離すケースを想定します。
―― デメリット
製造部門を子会社として切り離すと母体企業にとって製造工程の「''アウトソーシング''」となります。子会社に製造してもらった製品は母体企業にとっては「購買品」です。
この母体企業が品質''ISO9001''を取得している場合は、「購買プロセス」に関する要求事項への適合が求められます。この条項は、管理の方式と程度を最終製品に及ぼす影響に応じて定めることを求めています。
重要度の低いとされる一部の部品等と異なり、この場合の購買品は最終製品そのものですから、厳しい管理が求められます。母体企業と同じ高いレベルで製造することを保証するのですが、別会社ですので、その管理は靴の裏から足の裏を掻いているような「もどかしさ」があるでしょう。しかし分社化前と同じ高いレベルで管理しなければなりません。
―― メリット
会社経営者が育ちます。製造関係の技術者も利益を出すために、従来以上のコスト意識が求められるでしょう。これこそ分社化の目的だったかも知れません。
製造現場マネージャーは、製造原価に対するさらなる高い関心を払います。それだけではありません。会社の''財務会計''、BS/PLに対して直接関心が高まるでしょう。技術者が''財務会計''に通じることは有能な技術者、兼経営者を育成できることを意味します。これは会社の財産です。
「''もの作り日本''」
のためには、財務会計の分かる技術者が必要です。一言でいうと複式簿記です。このような技術者が「''日本のもの作り''」を支えます。
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この回答の相談
一般的に製造部門や販売部門を切り離して会社組織にするメリット・デメリットをおしえてください。
ポプラさん (埼玉県/33歳/男性)
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