対象:経営コンサルティング
意識かコストか
製造部門や販売部門を別会社にしたり、製品や市場ごとに分社化するという事例は、ときどき新聞やビジネス誌でも見かけますね。
逆に、分社化していたものを再度、統合する事例もあります。
有名なのが、事業部制を廃止したり、関連会社の完全子会社化を進めている松下電器産業ですね。
分社化のメリットは、いくつか考えられます。
思いつくものだけでも
・旧製造部門なら売上への意識、旧販売部門ならコスト意識、総合すると利益意識が生まれ、利益率が上がることが期待できる。
・経営者や役員のポストが増えるので、社員に「自分も社長になれるかも」という上昇意識が高まることが期待できる。
・企業規模が大きいままで、階層を減らして経営トップから一般社員への情報伝達を速める「組織のフラット化」を進めても、管理者が管理する人数が増えて管理者の負担はかえって増大するだけだが、分社化すれば、管理者の負担を増やさずに階層を減らすことができる。
・大組織にありがちな「縦割り」「セクト意識」「たらい回し」「意思決定と行動の遅さ」といった弊害を、クリアすることが期待できる。
といったことがあげられます。
まだあるかもしれません。
逆に、デメリットとしては
・会社ごとに、経理や人事といった管理部門を置かなければいけないため、管理コストが増大する。
というのが、最大のものでしょう。
これも他にもあるかもしれませんが。
整理すると、メリットとしては意識的なものが多く、デメリットとしてはコスト面ということになりますね。
結局は、どちらを選ぶかということになるわけです。
補足
最後に、分社化する際の注意点を、中小企業専門の経営コンサルタントとして申し上げておきます。
規模としては中小企業にしか過ぎないのに、大手企業の子会社だからといって、親会社の経営システムと思考・行動パターンを、そのまま踏襲している会社を、いくつも見たことがあります。
大企業意識を完全に払拭し、戦略を中小企業としての戦略に構築し直すとともに、行動も機動的な行動に変えないといけません。
そうしないと、同規模の中小企業に負けてしまう可能性が大きいからです。
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この回答の相談
一般的に製造部門や販売部門を切り離して会社組織にするメリット・デメリットをおしえてください。
ポプラさん (埼玉県/33歳/男性)
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