対象:心の病気・カウンセリング
持続性妄想性障害の疑い
奥様が5年前から趣味の会の女性方に強い嫉妬を示されるとのこと、心よりお見舞い申し上げます。
奥様の言動は了解可能でありますが、確信が強く訂正不能であるならば、''持続性妄想性障害'' (ICD-10, F22)を疑います。いわゆるパラノイア paranoia とも言われる病気で、色情型、誇大型、''嫉妬型''、被害型、身体型、混合型などに分類されます。妄想性人格障害であった方の妄想が発展する形で生じることが少なくありません。女性の場合は閉経後のいわゆる''更年期''に好発します。統合失調症にみられるような症状、例えば、顕著な幻覚、感情の平板化、思考障害などは生じません。
積極的な治療をするならば、''精神科を受診''して、向精神薬を用いながら、現実検討を促がす対応を行います。しかし妄想は遷延することもありますので、日常生活が障害されない限り、ご本人の気持ちを尊重しながら''支持的な対応''を原則とします。精神科を受診すること自体もご本人の同意を得られるか定かでありませんから、場合によっては''ご家族のみで''先にご相談へ行くのも一つです。どうぞ宜しくお願い致します。
茅野 分(銀座泰明クリニック)
回答専門家
- 茅野 分
- ( 東京都 / 医師(精神科) )
- 銀座泰明クリニック 院長
東京・銀座の心療内科・精神科、夜間・土曜も診療しております。
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