対象:住宅設計・構造
ダクトレス第三種換気の注意点
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こんにちは 北海道札幌で高断熱高気密住宅を手がけている勇和建設の齋藤です
ダクトレス第3種は、水回りの壁に数台の常時運転の強制排気装置を
各居室に自然給気口を設ける換気手法ですが
安易な取り組みは、十分な全館換気が行われませんので、注意点を申し上げます
ダクトレス第3種の場合、住宅の気密性能が相当レベル高くないと
自然給気口から給気されず
排気装置近くに散在している「隙間」から給気してしまい
結果として、全館換気にならないという事になりかねません
100m2の4LDKの2階建て住宅を想定してみましょう
排気装置は、トイレ・洗面脱衣室の小型パイプファンと
台所の常時換気機能付きレンジフードというのが北海道ではスタンダードです
給気口は、前述のように各居室ですので4室+居間で5ヶ所程度となります
花粉除去フィルター付きの口径100mmの自然給気口を採用したとすると
それ自身の通気能力の目安である換気有効面積が10-15cm2前後です
15cm2の給気口が5個とすると合計75cm2となります
この開口から有効に給気させなくてはなりません
100m2の住宅の気密性能が次世代省エネ基準レベル程度ですと
神奈川県で要求されている気密性能レベルは5cm2/m2ですから
住宅の隙間が500cm2もあることになります
このレベルでは、75cm2の給気口からは全く給気されず、すべて隙間からの給気となり
居室には新鮮空気が供給されないことになります
気密性能レベルが1.0cm2/m2でも100cm2の住宅の隙間がありますから
排気量の40%程度しか自然給気口から入ってこないことになります
隙間相当面積1.0cm2/m2以下の気密性能が確保できれば
ダクトレス第3種も採用できますが
そうでない場合は、ダクト型第3種排気型換気を採用され、水回りだけでなく
各居室でも吸気する設計を選ぶべきと思います
評価・お礼
ひさひさ さん
ありがとうございました。第3種にもダクトレスとダクト式があるとは気づきませんでした。実家も現在も、吹き込まない限り雨でも雪でも水回りの窓は開けて生活しているので、気密や換気方法で悩むとは思いませんでした。色々勉強して決めていきたいと思います。
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この回答の相談
こんにちは。換気方法を検討するのに悩んでいます。建てるなら、冷暖房にエネルギーがかからない高気密高断熱じゃないと、と思いますが、そうすると必ず24時間換気がつくのですよね。ダクト式の場合、埃… [続きを読む]
ひさひささん (神奈川県/34歳/女性)
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