対象:住宅設計・構造
森岡 篤
建築家
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まずは、扇風機
吹き抜けの温度環境を改善するには、さまざまな方法があり、かかる費用もピンキリです。
床暖房やサーキュレーターが有効なのは、他の建築家の方の言われるとおりです。
サーキュレーターは、吹き抜け空間の上部にたまった暖気を強制的に降ろすものですが、実は、逆向き、つまり上方向に吹く事も有効です。
要は、全体の空気を循環させれば良いのです。
従って、最も簡単に、今すぐに改善するには、扇風機を壁の近くで上向きに吹いてあげることです。
扇風機の高さは、近くで不愉快でなければ、高い必要はありません。
吹き抜けのリビングならば、きっと大きな窓があるのでしょうね。
窓ガラスは、複層(ペア)ガラスですか。もしそうでなければ、複層に換えると大きく変わります。
複層ガラスだとしても、冬窓開口部に近づくとひんやりするようであれば、厚手のカーテンで覆うと効果があります。
吹き抜けをやめて低い天井にすることは、多分可能で、それ程難しいことではないでしょう。
しかし、吹き抜けは、冬寒い欠点があるとしても、他で代え難い豊かな空間なのではないでしょうか。
せっかくの高い天井を、固定的に下げてしまうのは、もったいないと思います。
1つ案として考えられるのは、固定的な天井でなく、天井全体のサイズのクロスを用意し、冬寒い時期だけ、自由な形状に垂らし、いわば、仮設天井とするものです。
クロスを垂らす天井は、インテリアの手法の1つで、形状、質感を楽しんだり、照明を組み合わせ効果を出すものですが、薄いクロスでも四周を塞ぐことで、空気の流通をある程度止めることができ、効果が期待できます。
1案として、参考にしていただければ幸いです。
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