「年俸制」と「ＩＴ業界の給与体系」について。

アクシスコンサルティングの茂泉です。
年棒制そのものと、IT業界の給与体系の２つに分けて、お答えします。

【年棒制とは】
年俸制とは、年(期)の初めに１年間を通したトータル年間額を決める制度です。
最初に年間額を決めて、これを12分割して毎月支給するのが本来ですが、日本の場合は（ある意味で必ず支給される）賞与の習慣があるため、例えば14分割して2分割分を賞与時期に支給する場合もあるようです。
本来、前年(前期)の評価により、１年に１回 年俸(年収額)を決めて、その額は原則変化しないと言うのが年俸制です。
しかし、原則通りの年俸制を採用している企業は少なく、年俸の一部にインセンティブを適用していたり、年間(期間)の実績・評価によって年俸額が変化する会社もあるようです。(こうなると、本来は年俸とは言わないのですが)

【ＩＴ業界に多い給与体系は】
ＩＴ業界といっても、全ての企業が同様の給与体系ではありません。
少し前のソフト会社（特にメーカー系）では、基本給＋残業手当の体系で、実質に残業手当の金額が大きくなる傾向もありました。
しかし、現在は裁量労働制や上記のいわゆる年俸制を採用して、残業手当を支給しない企業が増えているようです。これは、決して年収を押さえるためではなく、出来るだけリアルに実績評価を行うための制度と言えます。また、残業手当以外の諸手当も基本給の中に入れ込む企業が増えていますが、これはＩＴ業界に限らず日本の産業界全体の傾向です。
他業界と比べると、ＩＴ業界の給与体系は一般的にシンプルで評価の割合が多い体系になっています。
これは、外資系企業やベンチャー企業の割合が大きいことも関連しています。
いづれにしても給与体系は、各企業の業態や事情によってさまざまです。
このため、内定時は提示された合計金額だけではなく、その給与体系や支払方法等も確認することが重要です。