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対象:心と体の不調

一人暮らし開始で食生活に変調?ビタミン・タンパク補給+保温を

2017/06/13 17:27

一人暮らしを始めて1か月が経過した頃から、ソファーの上で動けなくなる程の強い疲労感、不眠傾向、頭痛、イライラ感など様々な体調不良に見舞われているご様子で、心からお見舞い申し上げます。
疲れ果てて床に就くものの、眠りが浅いため疲れが抜けきらず、次の日も体の怠さ等の症状が繰り返される、という悪循環となっていると思われます。仕事や私生活などに少なからぬ影響が生じているものと拝察いたします。

ひどい疲れの原因としては長時間労働がよく取り上げられますが、この点に関しては必ずしも該当しないようです。また職場の人間関係などがストレスとなる事はよくありますが、もしそれが主要因だとすれば、他のスタッフも軒並み体調を悪化させるはずです。労働時間や職場環境なども重要な条件ですが、多くの場合、食事や睡眠などの「生活習慣」が少なからず影響しているものです。

まず深い影響が考えられるのは週5回こなしている「夜勤」です。同じ夜勤でも時間帯によって体調や睡眠の質に与える影響には差がありますが、一般的に夜勤は睡眠の質に良くない影響を与えるケースが多いとされます。
具体的には、日中の睡眠は日光の刺激などのため、どうしても眠りが浅くなりがちです。また疲労回復に欠かせない成長ホルモンの分泌は深夜の10時から2時にかけて最も盛んであることから、この時間帯に睡眠をとれないのは、疲労回復の観点からは若干不利な条件となります。
ただ夜勤という勤務条件が当面続くのであれば、その勤務および生活のパターンに順応し、少しでも心身ともに健康な状態で過ごせるようにならなければなりません。現に夜勤中心の生活を送っている人であっても、健康で活力あふれた日々を過ごしているケースは少なくありません。

この4月から一人暮らしを始めた、というのがポイントの一つとなりそうです。生活環境が変わり、目に見えないストレスがかかっている可能性もありますし、引っ越し作業や各種準備などを含め一生懸命に頑張った末、いわゆる「五月病」のような一種の息切れ状態に陥っている可能性もありそうです。
そして意外と多いのは、一人暮らしとなり食生活が変化し、次第に栄養バランスが乱れてきた、というパターンです。実家に住んでいるうちは母親の手料理を食べていたため栄養バランスが概ね整っていたものの、一人暮らしとなって偏食傾向に転じ、ビタミンやミネラル、タンパク質など大切な栄養素が不足気味になる、などという変化を示す人が少なくありません。

一人暮らしの開始直後は、とりわけ食生活や栄養バランスが乱れがちです。食材の買い物や自炊の経験が乏しく、どうしても簡単なもので食事を済ませてしまうパターンとなりやすいものです。例えば外食や総菜類、パンなどの加工食品の割合が多く、全般に炭水化物に依存した食生活となるケースが目立ちます。その一方で野菜不足気味となり、人によっては肉や魚などのタンパク源が不足することも多々あります。
そのような食生活では、ビタミンB群やビタミンC、亜鉛、鉄、カルシウムなどの微量栄養素、それにタンパク質や各種アミノ酸が不足傾向となりがちで、それに伴う欠乏症状が発生しやすくなります。また野菜やタンパク源の不足という事情だけでなく、糖質の過剰摂取によってビタミンB群などの不足に拍車がかかる、という一種の悪循環となってしまうのです。

具体的には、ビタミンB群が不足すると憂うつ感や集中力低下、口内炎、音などへの過敏、痩せにくい等の症状が現れやすくなります。一方で亜鉛が不足すると風邪をひきやすい、肌荒れ、味覚障害、不妊症などを引き起こしやすくなります。また鉄が不足すると貧血傾向となり、息切れ、爪が割れやすい、イライラ感などの症状を招きます。さらにタンパク質が不足すると傷が治りにくく、疲れが溜まりやすい傾向となります。
ところで糖質の摂取が過剰になると、なぜ栄養バランスや体調に支障を来たすのでしょうか。多量の糖質の摂取により血糖値が上昇すると膵臓からインシュリンが分泌され、一転して血糖値が急降下します。そのため食後の一定時間経過後にイライラ感、集中力低下、冷や汗などの「反応性低血糖」に襲われることが少なくありません。また血糖値の乱高下でビタミンB群の不足を加速させてしまいます。

それでは毎日の食生活に関して、どのような工夫が望ましいのでしょうか。詳しくは他のQ&Aやコラム、蒲田よしのクリニックのホームページのブログを参照して頂くとして、ごく簡単にいうと、野菜や果物、きのこ類、海藻類、豆類などをたっぷりと摂取し、ご飯やパン、めん類などの炭水化物、それに甘いお菓子など糖質の多い食品を控えめにすることが大切です。
一人暮らしを始めたばかりの現状に即してアドバイスすると、先ずは簡単に出来る工夫として、スーパーやコンビニなどのパック入りのサラダや、季節の果物を食べる事から始めましょう。また手軽に摂れるタンパク源として、ナッツ類や枝豆、チーズ、ヨーグルト、ゆで卵などの摂取がお勧めです。弁当や外食などでも野菜やタンパク源はしっかり確保したいものです。慣れてきたら野菜たっぷりの料理を作るようにしましょう。

次に栄養バランスと並んで体の「保温」も大切です。心身の疲労が溜まっている、体が怠い等の症状がある人に共通する要素として、体が冷えている、体温が低い、といった傾向が見受けられます。体温が低い人は一般に代謝や血流が低下しており、酸素が全身に行きわたりにくく、また疲労物質が抜けにくいため、とても疲れやすくなります。朝も体温の上りが遅いため、活動のエンジンがかかりにくく、なかなか調子が出ません。
低体温は心身の疲労ばかりでなく、様々な健康上の障害をもたらします。例えば体温が35℃台と低い場合は免疫力が低下するため、風邪をひきやすく、また長引きやすくなります。さらに疫学調査などでは、ガンに罹りやすい事も指摘されています。また代謝が低下することで、肥満や糖尿病を発症しやすく、うつ病やアルツハイマー病に罹りやすいという研究もあります。

そのような背景があるため、もし低体温の傾向があるならばなおさらですが、体を冷やさない、保温に努めるといった日常的な工夫が求められます。そのため具体的には、どのような工夫があるのでしょうか。
最も身近な方法は日々の「お風呂」の活用でしょう。低体温であろうとなかろうと、お風呂に入れば大なり小なり疲れがとれるものです。体の芯から温まるには、少し「温めの湯」がお勧めです。具体的には38~39℃の湯に肩まで浸かる「半身浴」で、15~30分くらい温まるようにしましょう。また冷え性ならば、44℃前後の少し熱めの湯で、手浴や足浴をするのも良い方法です。
体調が回復してきたら、ぜひ「運動」にも取り組みたいものです。継続的に運動をすれば体温は上がりますし、体力も気力も充実して、生活のための活力が蘇ります。最初はストレッチや歩く事から始め、徐々にペースアップしていきましょう。

蒲田よしのクリニック(内科)
吉野 真人
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病気を治したり予防するにあたり、いちばん大切なのは、ご本人の自然治癒力です。メンタルヘルスを軸に、食生活の改善、体温の維持・細胞活性化などのアプローチを複合的に組み合わせて自然治癒力を向上させ、心と身体の両方の健康状態を回復へと導きます。

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この回答の相談

疲れて動けない

心と体・医療健康 心と体の不調 2017/06/04 14:24

4月から一人暮らしを始め、実家にいた時からやっていたので、家事や自炊をやることもまったく苦ではなく、疲れてやりたくない日はやらないと決め、うまくこなしたいるつもりでした。
それが5月を過ぎた頃から、仕事か… [続きを読む]

emi91さん (東京都/26歳/女性)

このQ&Aの回答

疲労について 市原 真二郎(カイロプラクター) 2017/06/04 16:34

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