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対象:不動産売買

藤森 哲也 専門家

藤森 哲也
不動産コンサルタント

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重要事項説明と業者の責任について

2016/12/04 20:06
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はじめまして、不動産コンサルティング会社、アドキャストの藤森と申します。

ご質問いただきました件ですが、saku007様の相談内容通りの状況が証明できた

場合、業者に対しては責任を追及できると思います。



土地購入目的が建物の建築や居住であるにも関わらず、建築確認が下りない状況、

また、その原因となる側溝工事について違った説明をしておりますので、

媒介(仲介)した宅建業者へは、説明義務違反として媒介責任が生じると思います。

また売主へは、購入目的達成の際の問題点(工事費用)として、隠れたる瑕疵担保の

担保責任を請求できる可能性があります。



但し、相談の道路幅員(4.7メートル)が、特定行政庁などで決められているものより

狭いからなのは分かりかねますが、セットバックや道路の原状復元といわれる道路後退で、

側溝を敷地側に後退する工事はよくございます。

この道路後退工事に関しては、通常、瑕疵担保責任と扱われることは少くなく、

建築時に建築主が行うことという扱いが一般的です。



本来、土地売買の瑕疵として問題にあげられたり、判例等から判断をしやすいものには、

地中埋設物、土壌汚染、軟弱地盤による改良工事、高低差等がけ条例の説明に関するものや、

事件・事故等の心理気的なものがあります。

こういったもの意外で、建築に思いがけない費用が掛かっても、瑕疵としてみられない

可能性があるのです。

こういった、道路後退工事に関する一般的な扱いをだし、業者が自社の責任を否定する

可能性はあります。



しかし、今回の状況では「側溝は市の持ち物で、整備などの必要はない」との

現状況と違った説明がされており、そのことで、本来なら試算できるはずだった

工事費用が思いがけない出費となっています。

また、その費用を負担しなければ土地の購入目的(建築工事)が達せなれない状況です。




「瑕疵」とは、法律用語としては「通常有するべき品質・性能を備えていないこと」を

表現しておりますが、簡単に言いますと、先程記載したような物件の問題点です。

売買の目的物である土地に「隠れた瑕疵」がある場合、民法(570条や566条)が準用

され、目的を達することができない買主は損害賠償請求や契約解除などができます。



業者に責任を追及するようでしたら、是非、覚えておいてほしいことですが、

この瑕疵は、客観的にみて存在するかどうかなどで簡単に判断できないものです。



土地の購入目的が木造平屋の建築か、それとも鉄骨鉄筋5階建てビルの建築なのかで、

地盤改良の範囲・深度・工法・費用が大きく変わることがあります。

地中埋設物として同じものが同じ土地に存在しても、鉄骨鉄筋5階建てビルなら撤去が

必要となり瑕疵にあたると扱われる場合が、逆に、木造平屋なら撤去工事をしなくても

建築可能(目的達成可能)で、瑕疵にあたらないと扱われる場合もあります。


尚、瑕疵担保責任を追及するには、買主が知らなかった状況、つまり「隠れた」瑕疵

であることと、知らないことに過失がなかったことも必要です。



土地の購入目的が具体的に分っていて、その支障となる事実と異なる説明があり、

200万くらい掛かることは寝耳に水のsaku007様の状況は、この「隠れたる瑕疵」により

「予定された土地の性質を欠く」状況と判断される可能性は高いと思います。




ただ、売主でも仲介業者でも、saku007様の主張が正論かどうかに関わらず、

saku007様の主張を否定したり過失を追及したり、ひどい業者であれば営業妨害や

名誉毀損・損害賠償といった主張を言い出すような場合もあるかもしれません。

その際、自身の過失を認める発言をとられたり、業者都合の金額・条件で言いくるめ

られる可能性もありますし、本気で損害金などを徴収しようと思って行動する

非常識な業者に、多大な迷惑と心労をわずらう場合も考えられます。


そういったトラブルが未だにあると聞きますし、調査が不十分な状況から、

知識やプロ意識が低い業者だと仮定しますと、真摯な対応でない可能性も

考えられるので、用心に越したことはありません。



また、実際はどのような請求が出来るかも、こまかい状況次第になります。

突然、瑕疵担保責任や説明義務違反を追及すれば、言っていないと通すことも

考えられます。

200万程の請求先になるかもしれない相手へ、安易な気持ちで相談するよりは、

相手方が言い逃れできない証拠(間違った説明を立証できるもの)集めを

事前に意識した、行動の順序が重要になってくると思われます。



相談費用や着手金等は掛かるでしょうが、こういった契約内容の確認や、

業者に対して請求前にやっておきたいこと(必要な証拠集め等) について、

弁護士等の専門家に、正確な状況を伝えたうえで出来る請求は何か相談したり、

依頼すること等も検討してみる必要はあると思います。




最後に、もう一つの確認事項・注意点として、売主が個人(宅建業者でない)という

ことはないでしょうか。

売主が宅建業者でしたら、通常の瑕疵担保責任の期間については、

引渡しの日から2年(宅地建物取引業法)もしくは発見してから1年(民法)

となります。

しかし、売主が個人の場合なら、多くの瑕疵担保責任は2~3ヶ月であったり、

または免責とされていることもありますので、売主に対する瑕疵担保責任の

追及はできない可能性もあります。


弁護士等の専門家にお願いする場合でも、不動産関係の紛争に強いかどうかは

関係してきますので、不動産に強い法律家を選ぶ必要が有ります。


saku007様の置かれた状況で、もっとも可能性と利益ある選択の参考にして頂けたら

幸いです。


以上、ご参考になりましたでしょうか。

アドキャスト:http://ad-cast.co.jp/  藤森哲也

重要事項説明
瑕疵担保
契約解除
説明義務
瑕疵担保責任

評価・お礼

saku007 さん

2016/12/05 12:34

詳しく教えてくださり、本当にありがとうございます。
不動産屋は、「説明不足」を認めました。
ただ、実際どこまで損害賠償請求できるかは
慎重に行う必要があるようですね。

不動産屋は住宅ローンの契約にも同行しており
予算や建築物等の説明を銀行と一緒に聞いています。
そこも交渉材料になるか?と考えております。

売主は法人ですが、宅建業者ではないようです。
重要事項説明書には、「売主の瑕疵は引渡から1年」とありました。
売主に請求するかどうかはまだ決めかねております。

交渉に入る際には、専門家への相談を考えます。
アドバイスありがとうございました。

回答専門家

藤森 哲也
藤森 哲也
( 不動産コンサルタント )
株式会社アドキャスト 代表取締役
03-5773-4111
※お電話の際は「"プロファイル"を見た」とお伝え下さい。

将来必要なお金を把握せずに、家を買うのって怖くないですか?

売ってしまえば終わり・・・になりがちな不動産業界の現状に疑問を抱き、不動産購入には欠かせないお金の勉強をスタート。FP資格を取得。住宅購入に向けての資金計画、購入後の人生設計までトータルにサポートする「一生涯のパートナー」を目指しています。

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この回答の相談

敷地内側溝は重要事項説明に入るか

住宅・不動産 不動産売買 2016/11/28 13:09

先日購入した土地に新築するため、建築会社が役所に確認したところ、「幅4.7m以下の道路に接しているため、敷地内側溝を設けなければならない」と言われました。

不動産屋からは「側溝は市… [続きを読む]

saku007さん (大阪府/30歳/男性)

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