小規模宅地の特例の適用は、被相続人の居宅1カ所だけです。 - 柴田 博壽 - 専門家プロファイル

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小規模宅地の特例の適用は、被相続人の居宅1カ所だけです。

2016/07/24 16:36
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千葉県の鬼太郎さん はじめまして
税理士の柴田博壽と申します。
ご質問にお答えします。
千葉県の鬼太郎さん、相続対策を研究されているようです。しかし、ポイントを押さえることについては、これからというところかと思います。辛口にお感じになるかも知れませんがお気を悪くしないでご一読いただければと思います。
〇マンションの場合、小規模宅地の特例を適用しないのが一般的です。
実は、この特例の対象となる不動産は、土地についてのみでしたね。
前提として戸建の場合、土地が330平方メートルで、相続税の評価額が1平方メートル当り30万円と仮定しましょう。そうしますと、330×300,000=99,000,000の算式によりこの時の土地の評価額は、9,900万円となります。このうち、評価減できる80%の金額は7,920万円と高額の金額になることはお分かりかと思います。
一方、マンション(建物)もまた330平方メートルの敷地に建っていて、1平方メートル当たりの金額も前述と同額の30万円と仮定します。しかし、このマンションは、100世帯に分譲されていたすれば、土地の評価額はどのようになるのでしょう。
正解は、先ほどの計算による敷地の評価額9,900万円は100人の共有ですから、その時の1人当りの土地の評価額は、僅かに99万円に過ぎません。そうなのです。マンション全体の評価額は数千万円かも知れませんが、単純計算による土地の評価額は99万円で、このうち、特例適用により、80%を評価減できる金額は、僅少の79万円余りで税額に至っては、7万円強(税率が10%の場合)にすぎません。
〇所有物件が複数あっても居所は1か所となります。
また、なんといっても、この特例適用要件の重要なポイントがあります。複数の家屋をしかも相当の数を所有されている富裕層の人だっていらっしゃるでしょう。その場合も複数の家屋すべてにについて小規模宅地の特例が適用できるとなれば、不公平感をもたらしますね。
よって、そのようケースでは亡くなった方1人につき、1か所だけの規定となっています。そうしますと、先ほどの説明にあったように戸建(妹さん相続予定)で適用を受けた方が絶対的に有利ですね。
〇相続税額の計算は2段階で行います。
また、ここまでご説明してもなお、「妹だけが税額が軽減されて、自分にはその恩恵が受けられず不公平だ。」と千葉県の鬼太郎さん、お思いではないですか?
実は、「相続税は、もらった遺産に応じて各人の相続税を計算して納めるもの」と思われているのではありませんか? 要約すると「全く不正解」でもありませんが、相続税は他のいかなる税金とも計算方法が少し違います。
はじめに「誰がどのくらい相続したか」ではなく、「法定相続人は何人か」ということが大変大事です。お母様を相続人から除外していますよ(笑)。それによって基礎控除も違います。そして相続税の計算においては、法定相続分は、お母様が2分の1、ご兄妹が各4分の1となることもまた、肝心な部分です。
〇税額計算重要な第1段階
次に第1回目の税額計算ですが、課税相続財産の総額を誰が相続したか、あるいはしなかったかにかかわらず、先ほどのように、2分の1、4分の1、4分の1に切り分け、切り分けた後の金額に応じた税率を適用してそれぞれの税額を合計したものが相続税の税額です。
この時の税額合計を、仮に100万円としましょう。しかし、この段階では、一人一人の納税額は、決まっていません。。
〇税額計算の第2段階
ここで、実際に相続した遺産の評価額に応じた割合で、税額100万円を各人に振り分けます。仮にお母様が実際に相続した分がなく、兄妹が特例適用前の金額を2等分という分割であれば、兄妹各50%で納税額はそれぞれ、50万円となります。
千葉県の鬼太郎さんの税額だけが、特別大きくなる訳では決してないですね。ご安心ください。
相続税は、税額計算や評価といった部分が特に複雑なところがあります。おひとり悩まず、是非、税理士など専門家に相談をお勧めします。
 

相続財産
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マンション

評価・お礼

千葉県の鬼太郎 さん

2016/07/25 02:50

「一箇所だけ」という基本を理解できていませんでした。
非常に早く、かつ、丁寧に分かりやすく記述(回答)頂き、ありがとうございました。

柴田 博壽

2016/07/25 20:39

千葉県の鬼太郎さん 税理士の柴田です。
高評価をいただき、ありがとうございました。
税額計算を行ったうえで、対策を練るという進め方がよろしいかと思います。

回答専門家

柴田 博壽
柴田 博壽
( 東京都 / 税理士 )
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この回答の相談

親と別居する親族が居住する宅地の小規模宅地等評価減の特例

人生・ライフスタイル 遺産相続 2016/07/23 10:25

お忙しいところ申し訳ありません。小規模宅地等評価減の特例についてひとつ教えてください。

父親が被相続人、相続人は、長男の私と長女である私の妹の二人です。
父… [続きを読む]

千葉県の鬼太郎さん (千葉県/57歳/男性)

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