飼い犬が他の犬に噛まれたら。
ペット行動コンサルタントSENDAの千田純子です。
こちらはリードを短くしていて、向こうから近ずいてきて、入院しなくてはならないぐらい咬まれたということですね。怒りが収まらなくて、当然です。被害届は警察でご相談されると良いと思います。今時は、損害保険の中に飼い犬やペット、子供などが他人の物品(ペットは所有物扱いなので)に損害を与えた場合の補償がでるものが多いので、保険からでる場合もありますので、相手の方に医療費を請求することは可能だと思います。
私のところのパピークラスでは、「かまって、かまって」と纏わりついてくる子犬を噛みつき抑制のできている成犬に叱らせるというカリキュラムを入れています。子犬同士ばかりと遊ばせていると「自分を受け入れない犬はいないんだ。」と考えるようになって、犬を見ると興奮が収まらないようになってしまいます。子犬に自分の拒否される経験をさせることは大切です。飼い主さんが止めるだけでなく、犬自身にも遊んでも良い犬と遊んでくれない犬がいることを教えてあげる必要があります。
犬のしつけの中で、犬との社会化をつけましょうと言われています。しかし、多くの飼い主さんやドッグトレーナーさんは自分の犬が他の犬を好きにすれば良いのだと考えている方がいらっしゃいますが、「犬との社会化を育てる」ということは、危険な犬を見分けて、それに適切な対処の方法を身につけるということも含まれています。例えば、無視できるとか、危ないと思ったら距離を置くとかです。
世の中には、安全な犬だけではなく、危険な犬もたくさん存在することは確かです。確かに、すべての飼い主さんが他の人や犬に安全な犬に育てるようなしつけをすることが理想ですが、人間もなかなかそうはいきません。他人を傷つける人間はこの世からなくなりそうにありません。そういう飼い主さんが犬を飼うと、犬も他の人や犬を傷つけることに抵抗がなくなります。すべての飼い主さんに安全なしつけを求めるよりも、自分自身が危険を回避する方法を身につけることの方が現実的だと思います。
ワンちゃんも突然噛まれて怖い思いをしてかわいそうでしたね。でも、きっと早かれ、遅かれ、そういう経験はワンちゃんの一生の内には一度は経験することだと思います。確かに入院しなければならないような大怪我をしたのは、本当に残念ですが、そういう犬や飼い主をうまくやり過ごす方法を身につけることも犬の社会化であり、飼い主の技術の一つだと思っています。楽しく遊んでくれる散歩友達だけでなく、怪我をしないようにしっかりと叱ってくれる成犬の犬友達を作ることも大切です。
もし、ワンちゃんにこの怪我のトラウマが残って、臆病になるようでしたら、バッチフラワーのスターオブベツレヘムをお勧めします。お大事に。
回答専門家
- 千田 純子
- ( 千葉県 / 獣医 )
- ペット行動コンサルタントSENDA
科学的な理論を基に人と動物が共生できる方法を提案します。
ペットの犬や猫の問題行動の予防や改善のためのコンサルテーションや個人トレーニング、グループトレーニングを行っています。当しつけ教室の卒業生には、老人福祉施設や病院、緩和ケア病棟でセラピー犬として活躍しているワンちゃん達もいます。
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この回答の相談
うちの子は 人間大好き わんちゃん大好きで だれかる構わず 遊んで!とするのでいつもリードを短く持っています。まだ1歳半です。
それでも お散歩仲間はたくさんいます。
散歩中 前から来た飼い主さん… [続きを読む]
たけしゃんさん (東京都/44歳/女性)
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