対象:新築工事・施工
上村 美智夫
建築家
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採光と日射、通風と換気について
はじめまして、PAO建築設計の上村です。
お尋ねのご質問は、採光や通風についてですが、その性格の違いはあるにしろ、どちらかの方が圧倒的に良いと言いきれる程の大きな違いは無いと思われます。
以下に両者の特徴や違い等を簡単に説明させて頂きます。
1、通風・換気について
通風・換気の基本は、部屋の中を流れる風の通り道をイメージして、その流れに沿って風の流れ易い位置に窓を2つ以上設ける事だと言われています。つまり、風の入口と出口を風の流れに沿って設けることになります。
やむを得ず窓をひとつしか設けることができない場合は、6帖程度までの広さでしたら、窓の大きさにもよりますが、ほとんど問題はないと思われます。6帖以上の場合でも、窓を開けておく時間を長く取る事で、部屋の換気は十分可能です。また、部屋の入口のドア等と窓を共に開く事は、先の説明の通り通風・換気上は有効です。入口ドアの上部に換気用のランマ設けることで、ドアを閉めた状態でも、通風・換気を促進させることが可能ですので、その際は検討されては如何でしょうか。
2、採光について
西窓は西日が入ると、夏場は室温が上昇して暑い思いをすることになりますので、東窓の方を選べるのであれば、その方が良いと思います。
北窓と東窓の2つの窓の場合は、東窓より朝方から正午近くまでの日射が期待できます。子供に限らず朝の目覚めを促し、早起きをし、規則正しい生活をするには良い環境であろうと思います。夏場は太陽の日射が強くなる正午過ぎからの影響を受けないので、南や西窓に比べ、室温の上昇を抑えることができエアコンの負担も小さくできます。
南窓は東窓に比べ、強い日射が期待でき室内は明るくなり、冬場は日射により室温が上昇して快適性が向上します。逆に夏場は庇、カーテン等で日射を遮る必要があります。
北窓と東窓の2つの窓がある部屋は、南窓ひとつの部屋よりは、室内の明るさが均一で大きな明るさの変化はあまりなく、落ち着いた雰囲気となるのに対し、南窓ひとつの場合は、光が1方向から強く差し込みますので、強い明暗(陰影)ができ、室内の明るさも日射の変化により大きく変化します。
以上のような事が考えられ、私の個人的な印象では、ご自身がご実家で北と東側の2つの窓のあるお部屋で過ごされた実体験から、ある程度の確信を持って、こちらの方が良いのではと感じられるのであれば、その考えもけして間違いではありませんのでそうされる事をお勧め致します。
画像の説明
■松戸の家(PAO建築設計ホームページ)
1階洋室/子供部屋
ドア上部は通風・換気欄間
http://www2.gol.com/users/paoarchi/jirei-MAT/MAT-jirei-3.html
不明な事などがあればメール等で何でもお尋ねください。相談は無料です。
以上、少しでも参考になれば幸いです。
上村 美智夫 / Michio Kamimura
PAO建築設計
http://www2.gol.com/users/paoarchi/ E-mail paoarchi@gol.com
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この回答の相談
現在、新築住宅の間取りを検討しており、2階の間取りについて迷っています。
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カッチャさん (神奈川県/33歳/男性)
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