対象:住宅設計・構造
無垢構造材の割れと強度
横浜の設計事務所です。
木構造振興団体からでている強度実験データハンドブックから解説を転載します。
製材品の材面や木口面に生じた割れ(貫通割れや内部割れを除く)は、曲げ、圧縮、引張等の強度低下の影響はほとんどありません。
スギ芯持ち正角材を用いて力学的性質に及ぼす干割れの影響を調べた結果、材面の干割れ量と曲げ強度、ヤング率とに相関関係は認められていません。
(中略:JAS規定では貫通割れのみを問題にしている点に触れ)
これらは繊維に沿って生じた「材面割れ」は、背にの連続性を大きく断絶することがなく、軸(繊維)方向に作用する曲げ、引張り、圧縮等の応力に対して、強度の低下要因に当たらないとする考え方に因ると思われます。
主に割れが問題になるのは、現しで使う場合の「見た目」であり、そのような場合は背割といって見えない面にわざと溝を切ったりします。もちろんそれによる強度低下はありません。
むしろ通し柱に梁を差し込む時に、柱にいくつもホゾ穴を作ることによる断面欠損のほうが強度低下としては問題が大きいです。105角の柱だと、大工さんがそこをもって持ち上げただけでポッキリという場合があります。(強度を落とさないやり方はありますが)
木は生き物の体です。割れも歪みもそれぞれの個体の個性です。
それを上手に使ってあげるのが「家を建てる」ということです。
<あーす・わーくす http://office-ew.com>
補足
「材面割れ」は背にの連続性 → 「材面割れ」は繊維の連続性 の間違いです。
ちなみに背割は木の中の応力を解放して割れを抑制する工夫です。
多少形や色の悪い野菜を消費者が敬遠する為に、本当は美味しくて栄養のある野菜が安く手に入るのを消費者自身が阻害しているような事が家でも起こってます。
フィンランドと同じくらいの世界一の森林率である日本が、使用する木材の8割を輸入しています。
それらの殆どはホワイトウッドと言う構造材には適さない木を接着剤で固めてなんとか使えるようにした集成材です。
安い木であるのと集成してるのでひびは出ません。儲けとクレーム対策です。
でも本当は国産の杉や檜を使った方が遥かに良い上に値段も全体としてはそう変わらず、そうする事で山の手入れが出来るようになり国土環境も守る事が出来るのです。
回答専門家
- 小松原 敬
- ( 神奈川県 / 建築家 )
- 一級建築士事務所 オフィス・アースワークス 代表
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