色彩計画の基本

いろいろとお悩みのことと思います。色は論理的というよりも直観的、感性的な側面が大きいことが原因なのではないかと思います。それを理解しつつ、私たち建築家はまず論理的に考えて行こうとします。

メインカラーとサブカラーを決め、それにアクセントカラーを加えるという方法です。

メインカラーは床材や壁材。サブカラーは扉や巾木、回り縁、、、、それからキッチンやカップボードの扉なども含まれるかもしれません。

まず、３０ｃｍ角程度の床材と壁材を並べます。床材は決まっていますので、壁材を決めなくてはなりません。北欧スタイルということですが、スカンジナビアデザインには自然色や白だけではなく、薄い黄色や水色などもよく見かけますので、思い切って薄い色味をつけることもいいと思います。

このメインカラーに合せてサブカラーを決めることになります。扉や巾木はメインカラーとしてもよいと思います。メインカラーが連なり、より統一感が出、広がりも感じられると思います。

そうすると、メインカラーに合わせて今懸案とされているキッチンやカップボード（の扉）を決めることになります。先ほど申し上げた３０ｃｍ角くらいのサンプルにキッチンやカップボードのサンプルを並べて見比べてください。

同じような調子にするのか、あるいは少し色をつけるのか、はたまた、サブカラーというよりビビッドなアクセントカラーとなるように考えるのかは実際に色を合わせてみる以外に決め手はないと思います。床のチェリーより少し明るめの木調にするとか、薄いスカンジナビアンカラーにするなど無難な方向で考えてもよいと思います。

また、水回りですが、ホテルライクといってもさまざまですが、モノトーンで白を基調とするか、黒くまとめるか、ということでしょうか。リビングなどと対比的に黒っぽくまとめるのもいいと思います。

いくつか注意点ですが、ホテルスタイルにユニットバスの正面の壁だけを特別に考えるのは生活感が出過ぎのように感じます。４面すべて同じ方がよいように思います。
また、ホテルスタイルに洗面台は興ざめです。洗面ボウル+ミラー扉のついたキャビネットはいかがでしょうか。LIXILだとL-555FCの洗面ボウル（ﾎﾞﾄﾙﾄﾗｯﾌﾟ）にTSF-D123PR/LDのキャビネットとすることもいいように感じます。

素材を決めるのは私たち建築家にとっても大変難しい作業です。
ですので、考え方をしっかり決め、サンプルを並べ具体的にシミュレートして決めてください。
メインカラーは大きく、サブカラーは小さく、、、。
以上、ご参考になれば幸いです。

島崎義治
（株）島崎義治建築設計事務所
http://architect-studio.com
2012,13ｸﾞｯﾄﾞﾃﾞｻﾞｲﾝ賞受賞