対象:ペットの医療・健康
Re:猫の甲状腺機能亢進症の治療
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猫の甲状腺機能亢進症の主な症状には、体重減少、多食、多渇多尿、便量が多い、活動性亢進、嘔吐、乱れた被毛、斑状の脱毛などがあります。
今回、T4が7.6という数値から甲状腺機能亢進症であるといえるでしょう。ただし、甲状腺機能亢進症は内科療法では根治する病気ではありませんが投薬量をコントロールすることで症状の改善が認められる病気です。
まず、排便回数に関しては1日 1-2回もしくは2日に1回は正常範囲内といえます。便量が多いのは本病が原因の腸の運動性亢進によるものであり、そちらが正常化に近づくことで排便回数、便量は正常範囲内へと推移します。消化器関連で申しますと腸運動亢進の他に吸収不良も伴うために体重減少が認められます。こちらも本病がコントロールされることにより吸収不良が改善され、体重増加が認められることでしょう。発症前の体重に戻ることは困難かもしれませんが、体重増加は可能です。
次に排尿回数に関しては、1日2-3回は正常範囲内といえます。本病が原因の多渇多尿(飲水量の増加、尿量の増加、排尿回数の増加)が改善されることにより正常化します。個体差もありますが8-12時間程度排尿間隔が空くことは正常 です。
活動性亢進に関しては質問文にあるように落ち着きなく、走り回り、泣き叫ぶなどの症状が認められることがありますが治療をすることにより症状が軽減されます。
また、PHコントロール2の長期的な摂食については身体への影響は多少考えられます。効果としては飲水量を増加させることにより下部尿路疾患(膀胱炎や尿石症など)の予防へと繋がります。ただし、末期腎不全の状態ですと電解質の崩れを生じさせることがありますので注意が必要です。
なお、本症を治療することで慢性腎不全の顕在化を認めることもありますのでこちらの注意が必要です。
上記のことをご参照の上、かかりつけの獣医師とよくご相談いただければ 幸いです。
評価・お礼
ちゃんあい さん
2015/01/04 19:29
ご回答ありがとうございました。
大変参考になりました。すみませんまた相談内容を搭載させてもらったのでよければまた先生のご意見をお聞かせください!
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この回答の相談
11月末から甲状腺機能亢進症の治療をしています。T4が7.6でした。現在朝、夜とメルカゾールを1.25量から始め12月末に検査して投薬量を決めるそうです。現在投薬して約26日目です。最初の頃は夜中の走り回… [続きを読む]
ちゃんあいさん (岡山県/26歳/女性)
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