根の中の異物が上顎洞炎（ちくのう）を引き起こす場合があります

　初めまして、つくばオーラルケアクリニックの飯田です。

　上の奥歯の根っこの上方には、鼻腔の繋がっている上顎洞と言う空洞があります。その上顎洞が鼻炎を起こした状態を上顎洞炎（副鼻腔炎とか、蓄膿症とも言います）と言い、放置されたむし歯から上顎洞炎を生じることがよくあります。

※歯と上顎洞炎の関係について私が以前に書いたコラムがあります。宜しければご参照下さい。
「花粉症で歯痛に。その意外な関係」http://jijico.mbp-japan.com/2014/03/12/articles8146.html

　歯の根の中に異物が残っていて、根管治療（＝歯の根の治療）が不完全となり、根の周囲が化膿して上顎洞炎を生じた事例も報告されています。

　しかしながら、根の中の異物は私どもからはほとんど直視できませんし、根の中で操作できる器具も限られていますから、根の深い位置に入った異物のみを取りだすことはほとんど不可能です。したがって明らかな症状や、上顎洞炎を疑う所見がなければ、その担当医が説明したように様子を見ることになると思います。
　但し、「以前から鼻をすすると｢ﾁｸｯ｣とした痛みがあった・・・」というのが気になりますよね。ご心配でしたら口腔外科で鼻炎の有無、歯根と鼻炎の関連性などを調べてもらってはいかがでしょうか？お大事になさいませ。

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