対象:住宅・不動産トラブル
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田島 充
行政書士
3
回答が長くなってしまいましたが。。
ご質問ありがとうございます。
質問者様も今回の事に関してかなりお詳しい様なので,内容が質問と重複している箇所もあるかと思いますが,回答させていただきます。
まず初めに,時効は援用して初めて効果がでますので,あくまで質問者様が住民Aに対して土地の返還を求めた際に,Aが時効を主張してきた場合に質問者様のおっしゃる悩みが生じてくることになると思います。
質問者様がお父様から生前贈与のかたちで譲り受けた土地の3割ほどを住民Aがおそらく20年以上占有しているということですが,占有している期間は正確に把握しておく必要があります。
民法の162条には「二十年間、所有の意思を持って、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その所有権を取得する。」「十年間、所有の意思を持って、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その占有の開始の時に、善意であり、かつ、過失がなかったときは、その所有権を取得する。」という2つの条文があります。
この条文からは,占有の期間が20年に満たない場合は,占有の開始時に善意でありかつ無過失であるという条件も備えていないと取得時効が成立しないということがわかります。
本当に20年以上住民Aが占有しているということでしたら,質問者様の登記を備えた時期が住民Aの取得時効成立の前なのか後なのかということが重要になります。
不動産の取得時効完成前に,所有者から所有権を取得し,移転登記を行った者に対して,その後の時効取得者は登記なくして所有権の取得を対抗できます。一方で,取得時効が完成しても占有者がその登記を行わなければ,その後に登記を行った者に対して時効による権利の取得を対抗できません。
そして,これらの対抗というのは第三者に対してということです。質問者様はお父様の財産の一部を生前贈与した特定承継人であり,この第三者に該当しますので,質問者様は時効完成後の第三者ということになります。
よって,今回の場合では質問者様は住民Aに対して当該土地について優先的に所有権を主張できる立場にあります。質問者様が登記を備えた時点で住民Aの占有は中断された状態にあるということです。
しかし,この先も住民Aが占有を続け,時効が成立してしまうことになれば,質問者様は第三者ではなく当事者ということになりますので登記を理由に所有権を主張することができなくなります。
そのようにならないためにも,住民Aに立ち退いてほしいのであれば今のうちに立ち退きを主張すべきかと思います。
お役にたてれば幸いです。
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この回答の相談
取得時効についてややこしい質問です。
実父から土地を生前贈与として譲り受けました。
しかし最近気づいたのですが、この土地の3割ほどを隣接している住人Aが占有しており、住… [続きを読む]
norikonototiさん (富山県/38歳/女性)
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