対象:ペットの医療・健康
Re:猫の喉のポリープについて
まず、ポリープが増大傾向にある場合、いずれ酸素室管理だけでは立ち行かなくなるということが予測されます。ポリープが気管を本格的に塞いでしまった場合、いくら酸素濃度を高くしても呼吸は困難になります。ポリープに対する何らかの治療は必ず必要になるでしょう。
次に、ポリープが何で出来ているかが問題となります。
もし感染や炎症であれば、抗生剤や抗炎症剤の投与によって改善が見られるでしょう。
抗生剤の選択などには注意を払う必要がありますが、手術をせずに良くなる可能性が高いです。
何らかの腫瘍だった場合、手術で取り除かねばならない場合と、抗癌剤が有効な場合とがあります。
ご質問の、投薬では効果が一時的だったこと、かかりつけ医から切除を薦められていることなどから、ポリープが腫瘍であるという前提でお答えさせていただきます。
一口に腫瘍と言っても、リンパ腫や扁平上皮癌など、様々な腫瘍の種類があります。
この内、リンパ腫に関しては、手術による切除をせずに、抗癌剤やステロイド剤の投薬によって退縮が期待できます。それ以外の腫瘍だった場合は、基本的には手術が第一選択となります。
猫に永久気管ろう手術を施した例は確かにわずかですが、行なうことは可能です。当院の患者さんで同じ手術を行った猫がいます。その患者さんは、術後自力摂食が可能でした。ただし、気管ろうの開口部の管理は困難で、湿度、温度管理をかなり注意深く行なう必要があり、塞がってしまうことも度々あります。ですから、猫の永久気管ろう手術は、大変大きなリスクを伴う手術ではあります。
手術が困難な場合、放射線治療という選択肢があります。
これは、腫瘍の種類が何であれ、多かれ少なかれ効果が期待できます。
手術による切除を行わなくてもポリープの退縮が認められ、呼吸状態の改善が認められることが多いです。放射線治療を行なう施設が必要であること、頻回の麻酔が必要であること、効果の大小には差があるため、どの程度効いてくれるかは保証できないことなどが問題点です。
以上を踏まえた上で、再度かかりつけの先生とよくご相談してみてください。
腫瘍の専門医、大学病院などの受診を検討しても良いのではないでしょうか。
困難な状況だと思いますが、ご家族でよく話し合い、最善の治療が行われるよう願っています。
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この回答の相談
はじめまして。よろしくお願い致します。
6歳の猫の喉にポリープができてしまい気道を圧迫しています。
今は鼻からチューブを通して給餌し、酸素室に入っています。
かかりつけの病院の先生からは、手術… [続きを読む]
もてぎさん (群馬県/28歳/女性)
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