対象:住宅設計・構造
葛原 千春
建築家
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壁の下地だけでは無く、色々とご検討が必要です。
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dondon15さん、はじめまして。東京で設計事務所をしております、クロノグラム アーキテクトスタジオの葛原と申します。
結論から申し上げますと・・・楽器の練習室とのことですので、防音室としては壁天井の下地と吸音だけではなくもっと総合的な設計が必要です。この場では書ききれない程、内容が深く多岐に渡りますが、問題提起という意味で、ぜひご検討頂きたい項目を列記いたしますので、参考にしてみて下さい。
エレキギターやエレキベースはある程度アンプの音量を絞れば良いかもしれませんが、音量が小さいとあまり楽しくないと思いますし、サックスについては大音量となるので、時間帯を気にせず練習される場合も想定する必要があるかと存じます。
1)下階への音漏れを無くすためには最下階が理想の設置階。
2)床・壁・天井の下地材・仕上げ材はパナソニック電工さんや大建工業さんの部材が使いやすい。(筆者も大建さんの製品を良く使います。)
パナソニック電工:http://sumai.panasonic.jp/cwf/bouon/index.html
大建工業:http://www.daiken.jp/b/onkyo/index.html
3)ある程度の反響音を防止するような下地材・仕上げを選択する。・・・吸音しすぎても、つまらない音になってしまう。逆に残響時間が長すぎると不快な音場となり、練習にならない。カーテンやカーペットラグ等も吸音材になるので調整材として使用すると良い。
4)同じ建物内への音漏れの程度を考えて設計する必要がある。・・・壁内の柱材や下地の骨組みも音を伝えてしまうので、工夫が必要。
5)壁のコンセントやスイッチの埋込ボックスの為の穴も欠損になるので、専用のカバーをする。
6)窓は2重サッシ(2重ガラスの意味ではなく)とする必要性がある。
7)換気扇はそのままだと一番の音漏れの要因となるので、専用排気カバーを着けたり、全熱交換型の換気扇を検討する。
8)天井埋込のダウンライトも穴開けのため欠損となるので、天井材に穴を開ける照明は使用しない。
などの項目に注意してみて下さい。また専門家にご相談下さいませ。大建工業さんも相談にのってくれると思います。
快適な練習室になると良いですね。
参考に音響室の写真を添付しておきます。
クロノグラム アーキテクトスタジオ
葛原
評価・お礼
dondon15 さん
2014/04/15 00:09
葛原様、お忙しい中にも関わらず大変貴重なアドバイスありがとうございました。
実は計画していた防音ドアに関してはまさに大建工業さんのドアにするつもりでした。
壁や天井等に関してもこのような専用の部材が使えればいいのですが・・・残念ながら予算が少なく断念せざるを得ませんでした。
本格的な練習は今まで通り貸しホール・スタジオ等でする予定でしたので、部屋ではあくまで譜読みや指ならし等の軽い練習(音を出すのは昼間のみ)を目的としていました。
質問の補足が足りず申し訳ありません。
しかし、葛原様のアドバイスの通り、下地の問題だけではなく音漏れの対策を検討する必要性を強く感じました。
大変参考になりました、本当にありがとうございました!
葛原 千春
2014/04/15 16:11
早速のご評価ありがとうございます。
あくまでも軽い練習とのことですので、ご予算の範囲でコストパフォーマンスに優れた防音・音響対策を行い防音室含め、良い住まいになることを期待しております。
また、何かご質問等ありましたら、お気軽にご投稿くださいませ。
クロノグラム アーキテクトスタジオ
葛原 千春
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木造平屋建ての新築の設計で、部屋のひとつを防音仕様にして楽器練習室(サックスやエレキギター・ベース等を常識の範囲内の音量にて練習)として使用できるようにしたいと思っ… [続きを読む]
dondon15さん (福島県/36歳/男性)
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