対象:住宅設計・構造
建築家との家造りの責任
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横浜の設計事務所です。
1)責任の所在
どんな建物でも設計図の無い建物はありません。どこに頼んでも誰かが設計をしています。
その「誰か」とその人が「どんな仕事をしているか」かをはっきりさせる事が重要です。
また、設計の責任と工事の責任とはそれぞれが何をするべきかを明確に分離し、その範囲を
はっきりさせる事でしっかりした責任の存在が確立します。
無限責任は無責任です。なぜなら不可能だからです。
「誰が」「何をやるか」ということが重要になります。
責任には二つの意味があります。
それは「遂行責任」と「結果責任」です。
物事をきちんと考え、気を配り、運営して行くのが遂行責任です。
結果責任は、究極的にはお金(リカバー)と心の問題です。
起ってしまった事は神様でなければ無かった事にはできないからです。
・遂行責任
工務店は「造る」のが仕事です。設計事務所は「設計する」のが仕事です。
餅は餅屋で、それぞれが自分の仕事をする上でやる事があります。
工務店は現場監督が「管理」を行います。これは職人や材料を手配して現場を
運営していく仕事です。
設計事務所は「設計」と「監理」を行います。監理とは設計通りにできているかの
チェックと現場との質疑応答をする仕事です。
・結果責任
工務店は、構造と水漏れ・雨漏りに関して10年間の保証が義務になっており、
瑕疵保証の保険に必ず入ります。
設計事務所は”設計と監理”に起因する瑕疵に関して保証をしなくてはならず
大抵は建築士賠償責任保険に入っています。
建築家との家造りにおいては、まず設計契約を行います。契約書には遂行すべき責任が書かれています。
設計が終了すると、設計図とその設計図をもとにした見積もりとともに、工務店と契約します。工務店の契約書にも遂行すべき責任が書かれています。設計図と見積も契約書の一部です。
こうしてそれぞれの遂行責任が明確化されるので、問題が合った場合はそれに応じた対処ができます。
2)竣工後の点検
竣工後の点検は法的義務ではありませんが、工務店は2年点検、5年点検などの機会を作ることが多いです。
設計事務所はそれに同行する場合や随時要請があったら行くというスタンスの場合とか様々です。
工務店が定期点検するのには理由があって、保証制度で求めていられる場合や瑕疵が合った場合にも早期に対応できれば出費を抑えられるという理由です。
また、意外に竣工後の早期のリフォームや追加工事がある場合が少なくないという営業的な理由もあります。他にも口コミ営業の掘り起こしにもなります。
設計事務所も営業的に行っている所もありますが、仕事の性質上要請があった場合に行くスタンスも多いです。
契約事項の内容などの詳しいご質問などは直接お尋ねください。
<あーす・わーくす http://office-ew.com>
評価・お礼
season さん
2013/08/30 21:47
字数制限の為、なんだかタイトルが攻撃的になってしまったようでドキドキしておりました。
ご回答頂けてほっとしております。ありがとうございました。
ご回答の内容についてですが、私が聞きたかったのは結果責任についてだったと気づきました。
じっくりと読ませて頂いて、自分の中の疑問も整理されたように思います。
契約について、保険について、学びたいと思います。
竣工後の点検についてのご回答もありがとうございました。
回答専門家
- 小松原 敬
- ( 神奈川県 / 建築家 )
- 一級建築士事務所 オフィス・アースワークス 代表
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この回答の相談
家づくりを考え始めたところです。
建築家の方との家づくりについて質問いたします。
建築家の方に設計監理をお願いし、施工会社で建築した場合、建築後の保守点検や不… [続きを読む]
seasonさん (栃木県/55歳/女性)
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