対象:リフォーム・増改築
島崎 義治
建築家
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どのような住まいにしたいかによって決まると思います。
私も大きな中庭のある45坪のワンルームの住宅を、全館空調で検討しています。全体が流れるような空間だからこそ、全館空調が必須であると考えております。しかし、全館空調にするために大きな中庭を閉鎖的にして断熱性を良くするという発想はなく、住まいを、自分らしい生活を実現するための空間づくりであると考え、それらをより快適なものとするために設備があるのだと考えております。
ただ、イニシャルコストが高いため、全館空調なのか、個別エアコン+全館換気システムなのか、いくつか段階的に検討しています。調湿換気装置は水を通すため、専門の保守契約が必要となります。現在は水を使わない機種もでておりますが、イニシャルコストがさらに高くなります。
全館空調システムは、単にメーカーからの説明などによって既成の製品として取り込むのではなく創造的に計画する必要があると思います。
さて、
高気密、高断熱住宅についてはメーカーや専門家がさまざまに説明しており、本当に迷うところです。説明に使用されているデータは壁面だけ、断熱材だけ、ガラスだけ、サッシだけの、しかも実験データです。複数の視点を効果的に取捨選択し、有機的に統合することが必要と思います。さまざまな条件が異なりますので一概に結論付けることは難しいです。現実的にも、予算の制約も大きいためやれることは限られています。
ただ、木造の場合は、RCや鉄骨造と違い、木自体の熱貫流率が比較的低く、外断熱の必要はないように感じています。それに伴うデメリットも多いです。
むしろ、開口部分の開け方やサッシの種類(素材や開閉方法)を考えることが重要です。自然な快適性を保ちながら、設備による快適性も同時に享受できる計画が必要です。
また、基礎はRC造ですので、コンクリートからの熱の侵入、床下や屋根裏などの換気と気密性とをどのように調停するか、など細かな視点ですが、案外重要です。特にリニューアルであれば、基礎構造や耐震壁の補強と断熱性や気密性との関係も大きいです。
いづれにしても木造は揺れたり、伸び縮みする生きた生命体のようなものです。CもQも変化していますのでハードな考え方だけでは対応できないように感じます。氾濫する情報に対しても原点に帰る必要があると思います。
島崎義治/島崎義治建築設計事務所
2012グッドデザイン賞を受賞しました
http://architect-studio.com
(現在のポイント:-pt)
この回答の相談
築15年ですが、新築時の工事が悪かったことと、転勤等で雨漏りや白蟻を放置していた結果、構造の傷みがひどく、スケルトンリフォームを考えております。
この機会に標記、ダイキン全館調湿シ… [続きを読む]
MEGU2さん (東京都/51歳/女性)
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