表面の事実に目を奪われて，本質を忘れていませんか

　こんにちは。カウンセリングセンター聴心館　国府谷です。精神医学や脳神経科学をベースに認知行動療法を中心とするカウンセリングをしています（医師法における診断・治療行為は致しません）。

シュウとソラさん，支社長として転勤されたけれども，そこでの人間関係に苦慮され，ご自身がうつ病と診断されるまでになってしまった。そんな自分の状態が現実として受け入れられないということなのですね。お気持ちお察しします。

　ひとつづつ検討していきましょう。まず最初に，うつというのは，「うれしい」「悲しい」「怒り」などと同じひとつの感情です。気分が落ち込むという状態です。これが少し度が過ぎた状態がうつ病と言うことになります。何かの落伍者のような烙印を押された訳ではないことを，ここで確認しておきましょうね。落ち込みがちょっと強いと言うことです。

　さて，それでは，次のことを考えてみましょう。シュウとソラさんの支社長としての一番根幹の仕事は何なのでしょうか？　支社の社員とうまくやること？　本社に対してうまくやっていると見せること？　自分の借金や社宅の家賃を考えること？　自分の健康状態を考えること？　････そうではないですよね。支社としての業務を見据えて，確実に舵取りをしていくことですよね。

　社員は個人的にいろいろな状況をかかえて，いろいろに感じ取り反応します。決して冷静客観的な反応を返している訳ではありません。でも，上司の舵取りだけは真剣に見守っています。シュウとソラさんが，対人関係などの表面に目を奪われて，肝心の舵取りを忘れていることが問題なのではありませんか？　今，シュウとソラさんが心配されていることをうかがっていて，そんな印象を得ました。ちょっと検討してみて下さい。

　さて，うつ病に話は戻ります。現実のうつ病は，メールの回答を読んだくらいでは簡単には治りません。抗うつ薬の投薬や認知行動療法によって徐々に回復していきます。状況の相談とうつの改善のお気持ちがあるならば，私どもでも対応できますので，その場合にはご連絡下さい。

　シュウとソラさんの状況が良くなることをお祈りしています。いつでもご相談にのります。

聴心館WEBサイト　http://www.choushinkan.com