対象:住宅設計・構造
森岡 篤
建築家
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構造専門家に相談必要
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木造在来工法は、地震や風など水平方向荷重に対し、耐力壁で抵抗します。
耐力壁は、量(長さ)が十分あり、平面的にバランス良く配置することが必要ですが、それ以前に、有効な耐力壁であることが重要です。
耐力壁に地震の水平方向の力が加わると、耐力壁の下端の両角に
浮き上がる力(反対側は沈み込む)が加わります。
この力に対し、しっかり支持することが「有効な耐力壁」の条件です。
1階の耐力壁は、土台に固定されますが、「浮き上がる力」の大きな場合、ホールダウン金物等で固定します。
2階の耐力壁では、「浮き上がる力」に抵抗するため、壁の両側の下階(つまり1階)に柱が必要です。
下階に柱のない耐力壁は、不可能ではありませんが、特殊な配慮が必要で、ほとんどの場合「有効な耐力壁」ではないと考えて間違いありません。
のんのんのんさんのお宅の計画は、オーバーハング(2階が片持ちで1階より外に出ている)が多いようですね。
オーバーハングした、例えばバルコニーの先端に壁を付けたとしても、下階に柱がないので、「有効な耐力壁」とはなりません。
もし2階の耐力壁として、このようなオーバーハングした下階に柱のない壁をカウントしていたとすると、「基準法の倍の壁量、4/1法のバランス」も意味がありません。
このような問題は、個別に検討(設計の一部ですが)する必要があり、専門家に相談されることをお勧めします。
建築デザインと構造は別の専門分野です。
建築家は通常建築デザインの専門家で、構造にそれほど詳しくない人がほとんどです。
今回の場合、構造専門家(構造家、構造設計者)に相談して下さい。
ちなみに、現在の確認申請システムでは、木造2階建て建物(4号建物)は一級建築士が確認の特例を使うと、構造はノーチェックで確認が降りてしまいます。
参考になりましたでしょうか。
評価・お礼
のんのんのん さん
ありがとうございました
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