対象:新築工事・施工
角倉 剛
建築家
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設計事務所の見積調整
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渋谷区で設計をおこなっているものです。
同じ仕事をしているものとして、とても残念な気持を持ちましたので、
回答を差し上げることにいたしました。
1)建築家に依頼した際、見積り調整をうまく進める方法
多くの設計事務所が、基本設計→実施設計という手順を踏んで、設計をおこなっています。基本設計の段階で、概算をとり、その段階で、最初の予算調整をおこない、実施設計後の本見積で、最終調整をおこなします。
今回のお話は、基本設計後の見積調整でのお話ですから、手順としましては、通常の流れに則ったものであると思います。
お施主さんの要望を全て満たす案は、多くの場合、残念ながら予算を超えることが多いです。
私の場合は、予算の1割程度のオーバーは、仕様変更や、見積の製鎖により調整できるものであると考えており、それくらいのオーバーまでを許容範囲と考え、そこでできることを、何となくの目標値として設計をおこないます。その上で、概算の段階で、お施主さんと取捨選択をおこない、次の段階へ進みます。(正直にいいますと、1割程度のオーバーで納まらないときもありますが)
しかし、新たなやり方等に取り組む場合は、そこにかかる費用も予見出来ないことも多いでしょうから、3割増という結果もありえることだと思います。
この度のケースがどのような経緯の結果なのかが、わからないので、何ともいえないのですが、建築家側に問題があるとすれば、
・予算を大幅に超えていることが予見されているのにも関わらず、お施主さんにそのことを伝えることなく設計を進めてしまった。
・予算を大幅に超えることを予見する力がなかった。
のいずれかかと思います。
提示した予算が、どのような性格のものであるかは、最初に良く建築家と話し合っておくべき、大事な項目のひとつであると思います。なんとしてもこれで納めたいのか。あくまで目安であり、良い提案があれば、予算を増やす可能性があるのか。
私が現在取り組んでいる設計は、まだ基本設計の前段階ではありますが、お施主さんのご要望を満たす案が、大幅に予算オーバーとなることが予見されたため、その額を概略自分なりに積算し、予算を増額するか、ご要望の一部をあきらめてもらうか、今検討を御願いしているところです。
長くなったので残りは、回答補足に書きます
角倉剛建築設計事務所
http://www.smkr.jp/
補足
2)上記のような流れで契約解除した場合、設計費のいくらかは返金してもらえるのでしょうか。
今回は、基本設計が終わった段階ですから、それまでの費用をお支払いし、解約となるのが、筋かと思います。その建築家との契約書がどのようなものになっているかは、わかりませんが、私のところでは、設計料の総額は、基本設計3割、実施設計4割、玄蕃管理3割に振り分って考えています。
3)建築家に依頼する場合、多かれすくなかれ同じなので、HMに依頼した方が良いでしょうか。
建築家もいろいろな人がいます。必ずしも作品至上主義の方ばかりではありません、文章を読むと、こだわりをお持ちの方かと推察しておりますので、設計事務所に依頼された方が良いかと、私は思います。
ちなみに、カーテン類は、置き家具と同じように備品として考え、工事費として考えていない、設計事務所が多いと思います。逆ギレは良くないですが。
評価・お礼
newhouse さん
2012/11/23 16:27
ご丁寧な回答いただきありがとうございます。
参考URLを拝見させていただきました。
確かに、私どもの要望も多かったので、
予算オーバーは致し方ないのかと思います。
しかし、半年設計を行っている間に指摘してくれれば...
とも考えてしまいます。
もう一度設計者と打ち合わせを行い、書面で要望、議事録をとりたいと思います。
的確なご意見ありがとうございました。
(現在のポイント:-pt)
この回答の相談
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