対象:心の病気・カウンセリング
国府谷 明彦
厚生労働省認定 産業カウンセラー
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ご自身の感情を抑え込まないことから始めましょう
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こんにちは。カウンセリングセンター聴心館 国府谷です。精神医学や脳神経科学をベースに認知行動療法を中心とするカウンセリングをしています(医療行為は致しません)。
naganoyaさん,ご自身の身体がどうなっているのかと不安を感じていらっしゃる。そして,医師の診断がずばりの所を突いていない気がして,納得できない。このままで良いのかという思いがある。そんなお気持ち,お察しします。私が的を射た回答を差し上げられるかどうかなと思いつつ,ともかくも冷静客観的にお話ししたいと思います。
さて,自律神経のお話が出ていましたので,ここから入りましょう。自律神経は感情とつながっています。感情を抑え込むと,自律神経の異常として出てきます。ふくらんだ風船の一方を押さえつけると,抑えていない部分が異様にふくらんでくるのに似ています。
naganoyaさんは自営業と言うことですので,仕事上のストレスを感じ常に緊張状態にあるのではありませんか。資金繰りや仕事の納期とか様々なストレスがあると思いますが,その時感じた感情を,仕事ということで押さえつけていませんか? たとえば,つらいとかやりたくないとか,そんな気持ちが出てくる。でも,仕事だからそんな気持ちを持ってはいけないと思っている。それが,感情を抑え込むと言うことです。その結果,自律神経の異常として,肩がこる,気分が悪い,ボーっとする,そんな症状が出てきます。
まずは,そうした「ちょっと弱い人間」みたいな感情が出てきてもそれを認めて下さい。そのまま感じてしまうのです。感情というのは長続きしませんから,しばらく見ているとピークを過ぎて別の気分が出てきます。ピーク前に押さえ込むのと,ピークを過ぎて消えていくのでは,自律神経的に全く意味が違います。マイナスの意味での緊張感が消えていきます。そうした毎日を送ることで,自律神経的な症状は少しずつ良くなってきます。もちろん,マッサージや指圧などでリラックスすることも良い方法です。カウンセリングで気持ちを発散して語るのもOKです。状態が良くなってきたら,医師と相談して投薬を終わらせるのも方法です。
症状を薬で治す発想とはちょっと違う考え方をしてみることで,変化が出てきます。良い結果となられることを祈っております。いつでもご相談にのります。必要なときはメール下さい。
補足
【補足】感情が自律神経とつながっているように,思考は中枢神経に,無意識行動は感覚神経・運動神経につながっているのです。騒音などで「いらつく」と,思わず何かを蹴っ飛ばしているなんてことありますよね。感覚神経と無意識行動がつながっている例です。
人は往々にして,無意識のうちに感情を押しつぶしています。意識して感情を認めて,つぶさないようにして下さい。但し,これは他人に感情をぶつけることではありません。ご自分の中で「あ,こんなことを感じている」と見つめたり,うまくこなせないときは,トイレや風呂場で大声を出しても良いのです。歯が痛いときに「ワー」と声を出すと,何となく痛みが和らぐ気がするようなものです。感情を人に向かって出すというのは,あたかも隣の家にゴミを投げ込むようなことですから,感情は自分の中で処理してください。
それから,自律神経の症状と感情は区別して下さい。気分がさえない,だるい,身体の力が抜ける,肩がこる,ボーッとしている,こういったものは自律神経的な症状です。感情のように,時間をおいてもピークを過ぎることはありませんのでご注意を。
このAll About Profile内の私のコラム・聴心記「心の炎」で,感情との向き合い方などをお話ししています。聴心館のWEBサイトでも展開しておりますので,よろしかったらご覧下さい。
http://www.choushinkan.com/
評価・お礼
naganoya さん
2012/05/06 17:42大変参考になりました。ありがとうございました。
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