取締役の辞任と退任登記の可否について - 専門家回答 - 専門家プロファイル

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鮫川 誠司

鮫川 誠司
司法書士

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取締役の辞任と退任登記の可否について

2012/02/27 18:29
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ご相談の件について,下記の通り,回答申し上げます。

まず,株式会社と取締役との関係は,民法の委任契約に関する規定に従います(会社法330条)。
そして,委任契約は,各当事者(株式会社及び取締役)が,いつでも,その解除をすることができます(民法651条1項)。

したがって,取締役に就任する場合には,会社との間で合意が成立する必要があったのと異なり,取締役の辞任は,会社の承諾を必要とせず,一方的な,意思表示によって行うことができます。

問題は,会社代表者が,辞任届(内容証明郵便)の受取りを拒否した場合です。
意思表示は,原則として,その通知が相手方に「到達」した時からその効力を生ずるとされているからです(97条1項)。

これに関しては,相手方が,意思表示の内容を推知しながら,ことさらに内容証明郵便の受取りを拒否した場合には,「…遅くとも留置期間が満了した時点で受取人に到達したものと認められる」とする判例があります(最判平成10年6月11日・民集第52巻4号1034頁)。

したがって,会社代表者が,故意に,内容証明郵便の受取りを拒否した場合であっても,辞任の効力が生じたものと解することができます。
なお,会社側の受取拒否が,故意によるものであることを立証するために,再度,内容証明郵便を送ってみるのも一法でしょう。

では,取締役を辞任した上で,その退任登記は,どのように行えばよいのでしょうか。
商業登記の申請書(又は委任状)には,会社の代表者が,予め,管轄法務局に提出している印鑑(会社の実印)を押印する必要があるからです(商業登記法17条,20条1項)。

これについては,会社を被告として,取締役の退任登記手続を求める訴えを提起します。
退任登記手続を命ずる判決が確定した時に,会社代表者が登記申請の意思表示をしたものとみなされるため(民事執行法174条1項),会社側が協力しない場合でも,退任した取締役が,自ら登記を申請することができます。

本件は,「法律若しくは定款で定めた役員の員数が欠けた場合」(会社法346条1項)に当らないとのことであれば,取締役の権利義務を承継することはなく,退任登記の申請は受理されますので,上記の方法で,対外的にも,取締役の辞任を公示できます。


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評価・お礼

20february2012 さん

2012/02/28 10:20

回答有り難うございます。

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この回答の相談

取締役の辞任について

法人・ビジネス 企業法務 2012/02/21 14:24

代表取締役、私(取締役)、社員2名、計4名の会社で取締役をしていますが、
社長の経営方針と合わないため、会社を辞めようと思います。
取締役の就任から、今年の6月末で丸6年、任期満了となります。
業績… [続きを読む]

20february2012さん (神奈川県/38歳/男性)

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