対象:住宅設備
小川 哲史
建築家
1
暖房設備の前に住宅の性能が問題です
- (
- 5.0
- )
どんな暖房設備をつけても、断熱性・気密性が悪ければ寒い家になってしまいます。
まずは、断熱性能。
省エネ等級などでも表現されますが、断熱材やサッシによって、性能はうんと違ってきます。
次に気密性能。いくら断熱材をいっぱい入れても、隙間だらけの家だと、隙間風を感じるだけでなく、頭の方は暑くても足元が寒いという温度分離が起こりやすくなります。暖房をして温度差が大きくなればなるほど、自然換気量が増えてしまい、光熱費も高くなってしまいます。
気密性能と関連しますが、計画換気も重要な要素です。法律で義務付けられている24時間換気ですが、寒気の方法にもいろいろあります。かなりお粗末な換気計画でも法律はクリアできますが、実際に住んでみると使い物にならないなんて言うことにもなりかねません。
最近では、長期優良住宅として認定を受けている住宅もたくさんあります。前述の省エネ等級でいうとレベル4ですが、その中身は様々です。コストを抑えて基準をクリアすることに終始し、本当に大切な住む人の健康や住み心地まで考えが及んでいないことが多々あります。
断熱・気密・計画換気の手法について、設計士の方とよくよくご相談ください。そのうえで、暖房はどうしましょうということになると思います。
参考までに、私が設計施工させていただいた例をご紹介します。いずれも外張り断熱による高気密高断熱の家で、4人家族です。
1つ目は、35坪程度のお宅でオール電化、冬は蓄熱暖房機。夏はエアコンを使って24時間全館冷暖房をしてもらっていますが、電気代は真夏・真冬のピーク時で15000円くらい、平均すると月1万円程度だそうです。
2つめは、60坪程度のお宅で、冬はガスのエコウィルで床暖房と温水ラジエーターを使って暖房、夏はエアコンで冷房してもらっていますが、冬はガス代が3万円を超えることもありますが電気代は6~8千円、夏は電気代が2万円くらいになることもありますが、ガス代は6~8千円くらいということなので、ガスと電気を合わせた光熱費の月平均は2万数千円くらいだそうです。
高気密高断熱の家の特性を生かすためには、全館冷暖房することが基本になるので、家が大きくなると光熱費もそれに比例して高くなる点に注意が必要です。
補足
ランニングコストを考えるとき、単に月々の光熱費だけでなく、機器類の更新費用も考えないといけません。
ガスのボイラ-にしても、電気のヒートポンプにしても、10年くらいで修理や買い替えが必要です。
その点蓄熱暖房機は、仕組みが単純なので長持ちするといわれています。
また、前提となる電気料金やガス料金が、社会情勢でどのように変化するのかわからないということも頭に入れておきましょう。
灯油の価格は、数年前に比べると倍になっていますからね。
でもそこまで考えると、何が得なのかは誰にもわからないということになります。
評価・お礼
simeari さん
2011/12/13 23:13早々に回答して頂きありがとうございます。非常にわかりやすかったです。家も長期優良住宅なのですが、どれぐらいのレベルなのか詳しく確認してみます。
(現在のポイント:3pt)
この回答の相談
今、新居を建築家の方と設計中です。暖房機器については、エアコンとガスの床暖房です。でも今のマンションがそれなのですが、寒いです。暑いのより寒いのは我慢が出来ないです。新居は述べ床40坪ほどでリ… [続きを読む]
simeariさん (大阪府/27歳/女性)
このQ&Aの回答
このQ&Aに類似したQ&A