対象:矯正・審美歯科
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晝間 康明
歯科医師
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成人矯正についての御理解が必要です
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こんにちは,矯正歯科専門医の晝間康明です.
結論から申し挙げますと神経を抜いた歯があって矯正治療は可能です.
しかし,通常の矯正治療に比べて治療上注意する点がいくつかありますので,矯正治療をした方が良いかは症例によって異なり,時には無理して矯正治療をしない(勧めない)場合もあるでしょう.
成人の矯正治療を一般的に成人矯正と呼び,あいさんも成人矯正に分類されます.
近年,成人矯正を希望される患者さんは増加していますが,成人矯正の特徴として,すでにむし歯で歯の神経をとってしまっていたり,歯周病が進行している場合があります.この様な場合,むし歯や歯周病の管理と並行して矯正治療を進めなくてはなりません.
神経をとった歯がある方(あいさん)の矯正治療を行なう場合の注意点を下記に挙げます.
・神経をとった歯の状態(神経や細菌がきれいに取り除かれているか,神経をとった後の処置はきちんとされているかなど)によっては歯の動きが悪かったり,矯正治療開始前に再度神経の治療をやり直さなくてはならなくなる場合もあります.
・神経をとった歯には全て被せものがされていると思いますが,それらの被せものが繋がっている(連結されている)場合,矯正治療開始前に外さなければならなくない場合もあります.矯正治療後は,歯の位置が大きく変化しますので被せものと歯肉の位置関係や噛み合せも変化するため,矯正治療後に被せものも作り直さなくてはならなくなります.
補足
・20歳で神経をとってしまった歯が12本というのは非常に多い状況です.歯の神経をとってしまった原因が,歯を削って歯ならびをきれいにする審美的な目的ではなく,むし歯が重度に進行してしまった事で神経をとってしまったのであれば,あいさんの口腔内はかなりむし歯のリスクが高い状態であると予想されます.矯正歯科治療は,歯の表面にブラケットやワイヤーを装着するため治療期間中のむし歯のリスクは上昇します.したがって,矯正治療開始前にむし歯の予防方法,歯の磨き方,フッ素の使い方などを充分に理解されてから矯正治療を開始する必要があります.
以上の様に,神経の無い歯を持つ方の矯正治療では様々な注意点や患者さんに協力して頂く必要があります.この様な注意点を理解して頂きながら矯正治療の適応か否かを判断する必要があるでしょう.
厚生労働省発表による平均寿命の資料をみますと,現在20歳のあいさんの寿命はあと66年もあります.その間,色々なおいしいものを食べ楽しく過ごされると思いますが歯がなくては楽しさも半減してしまいます.矯正治療をするにせよしないにせよ,これからは歯の神経をとらなくて済むように歯を大切にして頂ければ歯科医師として嬉しく思います.
評価・お礼
〜あい〜 さん
ありがとうございました。
私の場合、事前説明が不足のまま審美的な目的で神経を失ったんです。まだ、クラウンはつけていないです。虫歯は一本もなかったので…。
やはり割れる事が一番の心配ですが、次に虫歯なんですよね。その点で躊躇しています…。もっとよく考えて見ますね。
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