対象:新築工事・施工
伊藤 裕啓
一級建築士
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長屋は一方的に解体できません
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住まいのe-相談室 建築士の伊藤です。
長屋の解体でお困りなのですね。
私はこれまで大阪市内などで長屋の解体問題をいくつか経験しています。
なかには裁判になったものもあり弁護士さんたちと対応してきました。
これまでの経験上の結論は以下となります。
「長屋の構造部分は所有者の共有部分となるため一方的に解体はできない。」
これは長屋の所有権を持っていることが前提となっていますが、長屋の場合柱や梁が共有されているため所有者の同意を得なければ撤去できないというのが一般的な考え方です。
近年大阪市内などでは長屋の一戸を解体する場合、隣接する住戸に同意書をとりに行くことが多いようです。
住戸の所有権をお持ちであれば解体に同意しなければ手を付けることができないと思います。
また長屋は一部を切り取ると構造上不安定になります。
隣家復旧工事費用額が100万円ということですが、金額が少ないように感じます。
どのような工事が行われるのか、撤去した場合の耐震性能は確保されているかを確認する必要があります。
相手方への質問は口頭でなく書面で行い、回答も書面でもらうようにすることもお忘れないようにしてください。
評価・お礼
空の街から さん
2011/10/25 23:17
早速のご回答本当にありがとうございます。大変参考になりました。相手が市役所なので、しっかりと書面合意する形で、話を進めます。
また、長屋の所有権ですが、現在使っている部分については、土地、建物ともに我が家の所有物です。この際も隣の都合による修理費用を一部負担するというのが、一般的なのでしょうか?どうも納得が行きませんので、追加でご意見頂けると、ありがたいです。
伊藤 裕啓
2011/10/26 22:27
住まいのe-相談室 建築士の伊藤です。
評価いただきありがとうございました。
追加の質問についての回答です。
「これまでの経験上、隣地の行う工事費用の一部を負担した例はありません。」
自分たちの都合で工事をするのに費用の一部を支払って欲しいという主張はあまりにも乱暴ですね。
それに工事費100万円の内訳もわからない状態であると思います。
前回も書きましたが長屋の一部を切り取ると構造的に不安定になって残った家が傾くこともあります。
同意する方向であっても、残った家にどのような補強、補修をするかを確認しておく必要があります。
(現在のポイント:-pt)
この回答の相談
祖父の時代から使っている長屋について、ご相談があります。
長屋は二軒続きです。一階が商店で、二階が居住スペースになっています。しかし、隣は何十年も前から空き家で、市が管理をしています。商… [続きを読む]
空の街からさん (愛知県/38歳/男性)
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