犬の子宮蓄膿症

はじめましてアレス動物医療センターの沖田と申します。
　
　さて、実際見ていないのであくまで文面から創造するお話ですので、参考程度にお考えください。
　
　もし本当に子宮蓄膿症の破裂だとすると、それはもうかなり助けるのが難しいほどの状態になっており（まれに手術で助かる子もいるのですが、どちらかというとまれと考えるべきで）、痛み止めが強すぎてというよりも、もう限界が着ていたのではないかと思われます。

　人間も、虫垂炎（いわゆる盲腸）の手術はそれほど命に関わるものではないかもしれませんが、これが破裂し、おなかの中に膿がもれ出れて腹膜炎になれば、命に関わる状態であり、ましてや小型犬にとってはかなり厳しい状況だったのではと思います。

　おそらく2週間前から始まったのは生理ではなく、子宮蓄膿症のおりもの（血膿）だったのではないかと思われます。
　私たち獣医師は避妊手術を受けていない5歳以上の女の子の、お腹の張りや出血、食欲不振、下痢、嘔吐のどれか一つでも出てくると、もしかして子宮蓄膿症では？と心配するくらいこの病気を恐れています。

　確かに2週間前の時点でなら手術も間に合ったとは思うのですが、飼主様がこれを知らなくてもしょうがないと思います。
しいて言わせていただくとすれば、いつもと違うことがあったときに［便秘かも］と自宅で結論を出してしまわずに、遠慮せずに主治医の先生に電話で質問されると良かったのかもしれません。

　子宮自身に痛覚はほとんどなく、痛みは腹膜炎によるものと考えられます。
　とすると、おそらく急変した日に破裂したのではなく、破裂して数日たち、腹膜炎になって急変したのだと思われます。
　
　2ヶ月前の血尿が今回のことと関連があるかはさすがにわかりませんが（おそらくないと思いますが）、おそらくお腹を触って痛がっていた時点で、腹膜炎を起こしており、夜間診てもらった病院で手術が可能だったとしても、助けるのは困難な状況だったのかもしれません。

　私も何度となく破裂した子宮蓄膿症のワンちゃんを助けられずに、見送ったことがあります。
　鎮痛剤の副作用はさすがにそこまで早く出るものではありませんので、願わくば強い麻薬を打ったからとは思わないであげていただければと思います。

　あまりお役に立てるような文面でなく、申し訳ありません。