対象:人事労務・組織
角森 洋子
社会保険労務士
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1回の打刻忘れに減給処分は重すぎます。
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1 比例原則(相当性の原則)
懲戒処分については会社が決めるものですが、その内容は好き勝手に決定できるわけではありません。懲戒事由の重さに比例して懲戒処分が重過ぎないということを比例原則といいます。タイムカードを打刻しにくい状態にしておいて、打刻忘れ1回で減給処分という処分内容は、客観的にみて重過ぎると思います。むしろ、悪いのは会社だといえるのではないでしょうか。
2 労基法第91条制裁規定の制限
1回の減給処分の額は、1日の賃金の半分ではありません。労基法91条は、「・・・、その減給は、1回の額が平均賃金の1日分の半額を超え、(複数回処分があっても)総額が1賃金支払期における賃金の総額の10分の1を超えてはならない。」としています。平均賃金の計算方法は、労基法12条「算定すべき事由の発生した日以前3箇月間にその労働者に対し支払われた賃金の総額を、その期間の総日数で除した金額」をいいます。
16時間が各日勤務を意味するなら、おそらく16時間の4分の1よりも少なめの額ではないかと思います。このような減給をやめるよう交渉してもやめようとしないなら、所轄労働基準監督署に相談されるといいと思います。
補足
労働契約法第15条は、比例原則(相当性の原則)を定めており、懲戒が客観的な理由を欠き、社会通念上、相当とは言い難い場合は、懲戒権濫用であり、無効とされます。行われた非行事実に対応した妥当な処分を科さなければならないということです。
しかし、この質問の場合は、処分することすら妥当ではないといえるのではないでしょうか。
評価・お礼
yukiusa さん
2011/07/21 18:29
とても参考になりました。
実際に会社側は募集をすればすぐに雇い人など
集まる。役に立たない人は有無を言わせずに解雇をします。
そんな会社に勤めてる自分がいけないのでしょう。
早めに新しい会社を探そうと思います。
角森 洋子
2011/07/21 18:51
解決にはならなかったようで残念です。
会社の業績が伸びていくためには、社員が気持ちよく働く環境を作ることが大事です。そのためには、経営者は最低限労基法を守るという姿勢をもってほしいものだと思います。
良い会社がみつかることを祈ってます。
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