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後藤 義弘

後藤 義弘
社会保険労務士

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まずは定款や個別契約等の内容を確認しましょう

2011/07/21 13:57

共同事業者の経営上の不正疑惑とその後の不当な対応により、共同事業者間の当初の信頼関係は喪失し、kinngyoさん自身が同社から退社したうえ出資金の回収を図りたいというお話です。

おそらく、このあたりについては既にご検討のうえ、今回のご質問をいただいたものと思われますが、まずは、念のためkinngyoさんの退社を前提とせず、現状、Kinngyoさんが会社に残り事業を継続しうる可能性について、会社法上の株主 (取締役) の権利関係等につき予備的にお話をした後、ご質問の本旨に沿った回答をさせていただきたいと思います。

なお、事業の運営形態は 「株式会社」 を前提とさせていただきます。

■ 帳簿を見る権利 (会社法433条)

ご存知のとおり、本来、一定の数以上の株を持つ株主には会社の会計帳簿を見る権利があります。
仮に、出資額=持株数とすると、Kinngyoさんがどの出資額であろうと、上の権利を得るための 「3%」 の株を持たれていることに変わりはなく、 (一定の場合を除き) この請求が拒否される理由はありません。

もっとも、取締役として業務執行しているのであれば、そもそもこうした株主権を取り出すまでもありませんが…

■ 取締役の解任 (会社法341条)

もし3人すべてが株主かつ取締役ということであり、不正の疑いのある取締役 (仮にA氏)以外のもう一人(仮にB氏)がkinngyoさんと友好的な関係にあり、理解・協力を得られる状況にあるのであれば、お二人の保有株式を合わせると議決権の 「過半数」 を有することから、理論的には (定款に別段の規定等がなければ) B氏と結託して取締役たるA氏を解任することも理論上可能です。
もっとも、A氏の株主としての地位は残り、間接的ながら経営への関与の余地は残りますが、KinngyoさんとB氏の関係が良好であり、お二人で2/3超の議決権を有するのであれば、お二人の経営上の意思決定に実質的な影響は出ません。

しかし、状況からして、以降のトラブル防止と事業の円滑な運営の観点からも、解任と同時に、以降A氏が諸々の株主権の行使ができないよう適正な価額での買取手当が必要でしょう。

(最悪 「強制取得」 という手もなくはありませんが…)

一方、A・B両氏ともに不正の疑惑あり、あるいは、B氏との信頼関係も喪失している、またはB氏からの理解・協力も得られない事情等があれば、上記の論は成り立たないことになります。

補足

■ 出資金の返還

株式会社に対する出資金の回収方法としては主に

 (1) 他の2人の出資者に買い取ってもらう
 (2) 会社に買い取ってもらう
 (3) 第三者に譲渡する

の3つが考えられます。

(1) は彼らの合意がなければ実現せず、(2) については会社法上の諸々の規制によりかなり高いハードルが設定されています。 このあたりにつきましては、下記Q&Aを参照ください。

   【Q&A】 自社株について
   http://profile.allabout.co.jp/ask/q-114781/

あと (3) についても、現実に買取りに応じてくれる人がいなければやはり資金は回収できません。

以上、いずれにしても、Kinngyoさん単独の意思だけでは資金回収は実現せず、いずれも相手次第 (合意) ということになります。

このように、出資金の回収が必ずしも容易でない点を考慮すると、可能性があるのであれば、上のようにkinngyoさんご自身で事業を継続することで投下資金の回収を図っていく選択肢の検討余地もあるのではないかと思われます。

■ 取締役の辞任と取締役としての権利と義務 (会社法346条・351条)

ご自身自ら退社するということであれば、取締役の辞任手続きをふみます。そしてその意思表示を (書面で) 行い、会社側にkinngyoさんの役員登記の抹消を要請し、実際に役員変更登記をすませ、取締役の地位から脱し、以降の取締役としての責任を回避します。

ここで注意が必要なのは、会社が 「取締役設置会社」 の場合、最低3名の取締役が必要となるため、Kinngyoさんが辞任したとしても、同時にその代わりとなる取締役の選任・就任がなければ、上記の役員登記の抹消ができない (登記が受理されない) ことになっている点です。

そうなると、いくらKinngyoさんに辞任の意思があり、会社がそれを認めた (Kinngyoさんと会社との間での合意は成立している) としても、外形上は依然として取締役としての権利・義務が残る、すなわち辞任後も取締役としての責任を負い続けることになるのです。

また、「取締役設置会社」 でない (「取締役会非設置会社」) 場合であっても、定款の定めによっては同じような事態となることも考えられます。

このような場合、取締役会設置会社から取締役会非設置会社への定款変更などによりこうした弊害を回避する手当が併せて必要となってきます。

以上より、まずは、会社の機関構成 (取締役設置会社か否か)、定款等 (株主間契約) において上記のような取締役の辞任 (選任・解任) に関する制約などがないかの確認作業が必要と思われます。

■ 書類の書き方 等
まずは上記各確認事項のご確認後にあらためてお問い合わせください。

会社法
定款
株式会社
共同事業
株式

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この回答の相談

退職後のトラブル回避

暮らしと法律 法律手続き・書類作成 2011/07/11 10:48

ある事業を3人でそれぞれ出資金200万、150万、300万と出し3人で同等に経営、運営する約束ではじめましたが、私的に利益を流用しているふしあり、経理等見せる事を拒否され「俺の言う事を黙って聞け… [続きを読む]

kinngyoさん (岐阜県/60歳/男性)

このQ&Aの回答

退職後のトラブル 若山 和由(行政書士) 2011/07/13 03:47

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