対象:労働問題・仕事の法律
後藤 義弘
社会保険労務士
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お気持ち察しますが…
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契約形態 (雇用?委任?) 等によって少しニュアンスが違ってきますが、「雇用」 ということになると、お話の 「減給」 は、やはり 「懲戒処分」 としての 「減給」 ということになるかと思います。
従業員に懲戒処分を科すためには、危惧されているように、一般的に就業規則や個別契約などにおいて、その対象となる事由とこれに対する処分内容等についての規定を置いておかなければなりません。
お話では、これらがないということなので、お話をうかがう限りでは、これらに基づかない処分等の有効性に関しては、やはり否定的な見方とならざるをえません。
【参考】 懲戒処分が有効となるための主な要件
・就業規則等に規定が設けられているか
・懲戒 (減給や解雇など) の事由にあたるか
・非違行為に対し処分は相当なものか (=重すぎないか)
・従業員に弁明の機会を与えたか など
このように、会社側が行使する懲戒権については、相当厳格な要件が課されており、これらを満たさない処分は権利を乱用したものとして処分が無効とされることが想定されます。
従いまして、お気持ちは察しますが、残念ながら、今回の事案では、問題の従業員の方に正当な処分を科すことは難しいものと思われます。
本来、懲戒権は会社に認められた権利ですが、以降これを適正に行使するためにも、まずは何より契約書などにおいて、少なくとも今回の減給をはじめ解雇などの制裁に関する規定を盛り込んでおくことが懸命かつ有効と考えます。
(もちろん、実際の処分を科す場合には、規定の存在だけでなく上にあげた要件もクリアすることが必要となります。)
終始法律論的な回答となってしまい恐縮ですが、今後の運用にお役立ていただければ幸いです。
ご質問ありがとうございました。
ご不明な点などありましたら、お問い合わせください。
評価・お礼
経営初心者 さん
2011/07/28 11:35お礼が遅くなりました。社内規定に「減給処分」を置いていなかったことが悔やまれます。結果として、減給処分は見送り、全額支払った上で辞めてもらいました。非常に不均衡感を感じますが、日本の法律が不当に従業員を保護している以上、仕方ないですね。こちらもある程度対抗策をきちんととって置かなければなりませんでした。勉強になりました。ありがとうございました。
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経営者です。困ったことがあり教えて頂ければと思います。
契約社員がいます。次回契約期間満了日に契約更新しない旨
伝えてあります。本人も了承しています。
この契約社員がパフォーマンスが悪く、当… [続きを読む]
経営初心者さん (東京都/45歳/男性)
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